二階氏の「小池知事支援宣言」にざわめく自民党 幹事長の独断専行を安倍官邸が静観する訳

東洋経済オンライン / 2019年3月8日 7時50分

3月4日、国会内で記者会見する自民党の二階俊博幹事長(写真:時事通信)

剛腕で鳴らす自民党の二階俊博幹事長が小池百合子東京都知事の再選を支援する意向を表明したことが、自民党内にざわめきを広げている。小池知事と激しく対立する同党都連は、突然の幹事長発言に怒り心頭で、党本部と都連の抗争にもつながりかねない状況だ。

ただ、旧民主党出身の細野豪志元環境相を二階派に入会させるなど、ここにきての二階氏の独断専行には、参院選後の党・内閣人事や政局運営をめぐる主導権争いも絡んでいるとみる向きも多い。様子見を決め込む安倍晋三首相も内心では困惑と苛立ちを隠せない。

事の発端は二階氏が4日の記者会見で、小池氏が次期都知事選に立候補した場合、「全面的に協力する」と明言したことだ。同日、党本部を訪ねた小池氏と会談した直後の発言で、「都知事選に小池知事が出馬するなら全面的に協力するのは当たり前。実績を見てもわかるじゃないか」と小池氏再選への協力を宣言した。これについて小池氏も5日、「非常に力強く『支えていくよ』という言葉をいただき、ありがたく思っている」と満面に笑みを浮かべて語った。ただ、小池氏は再選出馬について具体的な言及は避けた。

■「絶対に認められない」と怒る自民都連

小池氏は2016年夏の都知事選直前に「都議会はブラックボックス」と叫んで出馬表明。熱狂的な小池フィーバーを巻き起こし、自民党推薦候補らを蹴散らして圧勝した。2017年夏の都議選では地域政党「都民ファースト」を率いて自民党と激突、同党を都議会第1党の座から引きずり降ろした。ただ、同年秋の衆院選直前に立ち上げた新党「希望の党」が自らの「排除発言」などで失速して選挙に敗北。満員御礼を続けてきた「小池劇場」も休演を余儀なくされた。

その後、小池氏は自民党へ歩み寄る姿勢に転換したが、都連の小池氏への怨念は消えず、都議会で自民党都議が築地市場の跡地利用などで小池氏を激しく非難するなど対立が続いている。このため、二階氏の小池支援発言には都連幹部が「絶対に認められない」などと猛反発、都選出有力議員も「反対といわざるをえない」と顔をしかめた。

当の二階氏は、5日の会見で「自民党が候補を立てて、党を挙げて大騒ぎしても勝てるか。勝てなきゃ意味がない。(負けたら)責任は誰が取るのか」とすごんでみせたが、騒ぎが拡大した6日には「もう発言しない」と口を閉じた。安倍晋三首相は4日夜の会合で「随分早いね」と苦笑しただけで踏み込んだ発言は避け、菅義偉官房長官も「先の選挙のことなので、政府としてのコメントは控えたい」と述べるなど、官邸側は静観の構えだ。

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