トランプ大統領が執務室の肖像画を変えた「謎」 なぜいつのまにかリンカーンになったのか

東洋経済オンライン / 2019年3月12日 7時50分

トランプ大統領は執務室の「大統領の肖像画」を第2代のジェファーソンから第16代のリンカーンに変えた。これは何を意味するのか。トランプ大統領が国内で置かれた立場や、2020年の大統領選を解くカギにもなりそうだ(ホワイトハウスのステートダイニングルームで、写真:ロイター/アフロ)

この1月と2月、FEDのスタンス変更と米中貿易協議進展への期待でアメリカの株式市場はV字回復した。

だが、2月28日の米朝会談あたりから徐々に下落を始めている。先行指標のダウの輸送指数はその前からすでに下がり始めており、スマートマネーはそれに反応していたところに、米朝会談は「あの終わり方」だった。ならば米中首脳会談前に、利食いが出るのは自然だ。ただし、ドナルド・トランプ大統領が米朝会談を合意なしのまま切り上げたのは、北朝鮮からの提案に憤慨したというよりも、2020年に向けた国内の政敵との戦争が本格化してきたからだろう。

■追い詰められる?トランプ大統領

呼応するように、3月7日のブルームバーグの記事などは「トランプ大統領が、株式市場のために米中協議のスタッフに妥協を急がせた」との記事を載せている。昨今ブルームバーグはどちらかというと反トランプ的な記事が多い。今回もわざわざ「株のために」と強調したのは、覇権を争う中国との貿易協議より、選挙のため、つまり自分の保身のために中国と妥協するかもしれない姑息さを強調するためだろう。

そしてこのタイミングでロバート・モラー特別捜査官のロシア疑惑の最終レポートも出る予定だ。ただしトランプ大統領が任命したウイリアム・バー司法長官は、レポートの全てを開示することはないとの見方が有力になっている。民主党は、それならそれ自体を違法として別途争う、としている。民主党の狙いは、ロシア疑惑以外にも、トランプ大統領が国益よりもファミリービジネスを優先させている状況証拠をあぶりだすことだ。彼の顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏の証人喚問もその一環だが、今後は彼の長男や娘婿のジャレッド・クシュナー氏を下院に呼びつける予定になっている。

そもそもトランプ大統領は弁護士系の大統領ではない。彼は清濁を併せのんできたビジネスマンなので、その気になれば粗探しはいくらでも可能だ。でもそんなことを民主党が延々とやったら、かえって逆効果ではないか。そんな中、で注目は上院の動向だ。下院はトランプ大統領の国家非常事態宣言を否定する法案をすでに可決したが、上院でも複数の共和党議員がこの法案に賛成しており、法案は議会を通過する可能性が高い。

当然トランプ大統領は拒否権を発動するとして、その拒否権をさらに否定するための「上下両院の3分の2」に向かって、民主党はどの程度共和党議員を切り崩せるか。恐らくそれが弾劾の目安になるだろう。ナンシー・ペロシ下院議長は「負ける弾劾はしない」と断言している。見方を変えれば、勝つ見込みが立てば弾劾に出るということだ。

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