金融庁は仮想通貨規制をどこまで強化するのか 「ICO」での資金調達も金商法の対象になる?

東洋経済オンライン / 2019年3月13日 7時20分

仮想通貨技術を使った資金調達のうち「約8割が詐欺」との調査もあるなか、金融庁が検討する新たな規制とは?(写真:Graphs/PIXTA)

仮想通貨相場が低迷している。ビットコインは2018年以降、右肩下がりとなり、足元では40万円前後でもみ合い相場の様相。2017年末に付けた最高値と比べ5分の1の低水準だ。国内はもとより世界的に仮想通貨(暗号資産)への関心が低下し、投機対象として積極的に売買する投資家も減少しつつある。

その一方、国内では仮想通貨に対する規制が徐々に強まっている。金融庁は2017年の改正資金決済法で仮想通貨を資金決済手段と位置づけ、交換業者に登録制を導入した。これは世界各国に先駆けた動きだったが、ここにきて仮想通貨技術を使った資金調達「ICO」(イニシャル・コイン・オファリング)に対する規制も検討しているのだ。

■ICOはいまだ「無法地帯」、詐欺まがいの案件も

ICOに対する規制が定まれば仮想通貨への関心が再度高まっていく、とは限らない。しかし、無法地帯だったICOに一定のルールが構築されることは決してネガティブな話ではないだろう。

金融庁は有職者会議「仮想通貨交換業等に関する研究会」を設置し、仮想通貨の流出リスクや証拠金取引などへの対応策に加え、投機性を有するICOへの規制について検討してきた。

ICOでは、「トークン」と呼ばれるデジタル権利証を発行して投資家から資金を調達する。ただ、ICOには審査や業績開示といった厳しい規制がなく、事業計画がずさんで詐欺まがいの案件も目立つと指摘されている。トークンは仮想通貨交換所で取引できることから、投機性を帯びるようにもなっている。

「仮想通貨交換業等に関する研究会」は2018年3月に設置され、合計11回の議論を重ねている。何が話し合われたのか、論点を具体的に見ていこう。

2018年11月12日の「第9回仮想通貨交換業等に関する研究会」では、従来の証券市場では不公正取引と見なされるような仮想通貨取引や、ICOに絡んだ詐欺事案なども報告された。現行の資金決済法の枠組みでは対応できない点を考慮すれば、「金融商品取引法(金商法)での規制が必要」としている。

それに続く11月26日の第10回研究会では、「ずさんな事業計画と詐欺的な事案が多く、既存の規制では利用者保護が不十分」「他の利害関係者(株主、債権者等)の権利との関係も含め、トークンの権利内容に曖昧な点が多い」などと、さらなる問題点が指摘された。「投資性を有するICOの特質と、それに伴い必要と考えられる規制の内容を整理する必要がある」と突っ込んだ。

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