「あたしンち」の表紙を作った男の堅実な仕事観 見ただけで欲しくなる作品はこうして生まれる

東洋経済オンライン / 2019年3月14日 13時0分

漫画の表紙のデザイナーで知られている関善之さんに、どのような道を経てデザイナーになったのかお話を聞いた(筆者撮影)

これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむと古田雄介が神髄を紡ぐ連載の第58回。

本屋に行くと、さまざまな漫画の単行本が平積みにされている。

雑誌での連載から追いかけている漫画を単行本で買う場合も多いが、単行本の表紙に一目惚れして思わず購入することもある。そうして手に入れた1冊が、結果的に心の1冊になっている場合も多い。

漫画の表紙はまさに漫画の顔であり、とても大事な要素である。

そんな漫画の表紙のデザイナーとして知られているのが、関善之さんだ。関さんはデザイン会社『ボラーレ(VOLARE)』のデザイナーであり、代表取締役でもある。

作品は『クレヨンしんちゃん』(双葉社/臼井儀人)、『あたしンち』(KADOKAWA/けらえいこ)、『GANTZ』(集英社/奥浩哉)、『りびんぐゲーム』(小学館/星里もちる)、『重版出来!』(小学館/松田奈緒子)、『王様ランキング』(KADOKAWA/十日草輔)など、国民的作品から、最近出版されて話題になった作品まで枚挙にいとまがない。

関さんがどのような道を経てデザイナーになったのか、ボラーレの事務所内で話を聞いた。

■紙が好きな子どもでした

関さんが生まれたのは、熊本県水俣市だったが、2~3歳で岡山県の倉敷市に引っ越した。

「倉敷というと観光地というイメージがありますけど、にぎやかなのは駅の周りだけで、少し離れると普通に田舎になりますね」

駅から車で20~30分かかる、山と田んぼに囲まれた田舎で育った。

ただし、自宅はマンモス団地で、周りに人はたくさんいた。

「保育園に入ってすぐカミキリムシが大好きになって、親に『大きくなったらカミキリムシになりたい』って言ってたらしいんです。物心ついてからも、ずいぶんからかわれました(笑)

あと、今思うと紙が好きな子どもでした。真っ白な画用紙とか、模造紙の束とか、伝票の紙の束とかですね。そういうのもひょっとしたら今の仕事につながっているのかもしれません」

小学生時代、漫画に興味を持ちはじめて最初に買ったのが『トイレット博士』(集英社/とりいかずよし)の第2巻だった。そして続けて『侍ジャイアンツ』(集英社/原作:梶原一騎、作画:井上コオ)の第2巻を買った。

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