「グーグル翻訳」が急激によくなっている理由 人工知能による予測能力が劇的に改善中

東洋経済オンライン / 2019年3月14日 7時0分

コンテストが始まった2010年から最後に開催された2017年の間に、予測は大きく改善された。次の図にはコンテストに優勝したチームの予測の正確さを年ごとに表した。

縦軸はエラー率なので、低いほど優れていることになる。2010年、最も成績のよかった機械による予測は、エラー率が27%だった。2012年にコンテスト参加者がディープラーニングをはじめて使うようになると、エラー率は16%にまで下がった。

■ついにエラー率は人間の標準値の半分以下に

プリンストン大学教授でコンピューター科学者のオルガ・ルッサコフスキーは、次のように語っている。「2012年には、正確さに関して大きなブレークスルーが実現した。しかしそれは、数十年前から存在してきたディープラーニングという概念の正しさの証でもあった」。

アルゴリズムの著しい改善はその後も続き、2015年には、あるチームのエラー率が人間の標準値をはじめて下回った。2017年になると、参加した38チームの大半が人間の標準値を下回り、優勝チームのエラー率は人間の標準値の半分以下になった。機械はこのようなタイプの画像を人間よりも上手に確認できるようになったのである。

もうひとつ、近年AIが達成した大きな成果が、言語翻訳だ。グーグルの翻訳サービスの質がいきなり向上した結果、翻訳は魔法のように感じられる。

例えば、アーネスト・ヘミングウェイの「キリマンジャロの雪」は、次のような美しい文章で始まっている。

Kilimanjaro is a snow- covered mountain 19,710 feet high, and is said to be the highest mountain in Africa.

2016年11月のある日、コンピューター科学者であり東京大学大学院教授の暦本純一は、このヘミングウェイの珠玉の短篇小説の日本語訳(キリマンジャロは雪に覆われた1万9710フィートの山で、アフリカで最も高い山と言われている)をグーグルで英語に翻訳し直した。その結果、次のような英文が出来上がった。

Kilimanjaro is 19,710 feet of the mountain covered with snow, and it is said that the highest mountain in Africa.

ところが翌日、グーグル翻訳は次のように変化していた。

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