行政手続きを簡単にする「ガブテック」って何? 新興企業の力を借り、住民の不満解消目指す

東洋経済オンライン / 2019年3月20日 8時0分

煩雑な行政手続きに対し、住民の不満は少なくない。テクノロジーを活用したサービス向上は実現できるか(写真:Graphs / PIXTA)

フィンテックやアグリ(農業)テック、エド(教育)テック……。世の中は猫も杓子も「××テック」流行りだ。そんな「テック」シリーズに、また1つ新しい仲間が加わった。

今年に入り、都内で「ガブテック」という聞き慣れない言葉を冠した、ユニークなイベントが相次いで開かれている。1つは、2月に神戸市が主催した「ガヴテックサミット」だ。イベントのうたい文句は「世界で注目されている行政×テクノロジーの現在を紹介」。主催者によると、3連休の中日というのに、約300人が参加した。

「行政手続きが異なると、(住所や名前など)同じ情報を何度も入力しなければいけない。行政職員ですら、いやだと思っていることを見直して簡素化できないか」

この日のサミットでは、住民が感じている行政手続きに対する日頃の不満や不平のほか、スタートアップ企業の力を借りて行政サービスを向上させた具体的な事例が報告された。1月には経済産業省が主催して「ガブテックカンファレンス」が開催されるなど、にわかに機運が盛り上がっている。

■今年は「ガブテック元年」

ガブテックとは、政府(Government)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語。政府や地方自治体が抱える課題を、テクノロジーの力を活用した積極的に解決していく取り組みのことだ。

2019年を「ガブテック元年」と位置づける神戸市によると、今回のサミットはもちろん初めての開催となる。2月のイベントで挨拶に立った副市長の寺崎秀俊氏は「神戸市は阪神淡路大震災など、幾多の災害、苦難を乗り越えてきた。これからの発展のキーとして絶対に欠かせないのがイノベーションの力をどのように神戸の活力として吸い込んで、スタートアップ企業と一緒に発展していくか。この点に尽きる」と強調した。

海外ではアメリカ・サンフランシスコやエストニア、シンガポールなどで先進的な事例が存在する。神戸市ではスタートアップ企業と協業し、アプリを使って子育てイベントの参加者を増やす実証実験を試みたり、毎月手作業で行っているレセプトチェックの自動化や行政窓口をスムーズに案内できるツールの開発などを進めている。

自治体の間にも「ガブテック」の動きは広がっている。東京・池袋から特急電車で約70分。人口約8300人の埼玉県横瀬町は、同町を拠点にビジネスプランやアイデアを実現したい企業や個人と役場をつなぐプラットフォーム「よこらぼ」を2016年10月に立ち上げた。

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