「人をダメにするベッド」が客を虜にする理由 家具ECの風雲児ベガはなぜ勝ち上がったか

東洋経済オンライン / 2019年3月23日 18時0分

どん底を何とか乗り切り、自社ECのLOWYAが軌道に乗ってきたことで、ベガの業績も上向きに転じていった。売上高は2010年3月期に10億円、2017年3月期には100億円を突破。その間の2016年6月には、東証マザーズに悲願の上場を成就した。今2019年3月期は売上高140億円へと伸びる一方、配送料増加などが響いて1.5億円の営業赤字見込みだが、来期は自社ECの伸びに加え価格転嫁や配送料抑制によって、黒字転換を目指す。

では、長期的に国内の家具市場が低迷する一方、家具、雑貨、インテリア市場のEC化率が全体の20.4%まで高まった今(2017年、経産省調べ)、先発のベガが差別化する術とは何か。それは、技術面でのもう一段のブレイクスルーと、越境ECを舞台にした海外市場の開拓だ。

家具ECでは、スマホ画面に部屋を映しながら商品を3D化し、自分の部屋で家具の配置を確認できる、AR(拡張現実)機能が大手を中心に広がりつつある。ECでは先駆者のベガだが、AR機能については静観してきた。片や競合では、リビングスタイル社のインテリア試着アプリ「RoomCo AR」がニトリや無印良品などのブランドを、ARでデータ化。島忠は専用アプリ「シマホAR」を投入している。

沈黙を破ってベガはこの2月、自社で開発したハイビジョンARをLOWYAに実装。その特徴は限りなく実物に近く、アプリがなくてもiPhoneのブラウザ「サファリ」でLOWYAのウェブを開けば、すぐにARで家具の配置確認できるという。

「これくらいリアリティーがないとダメなんじゃないかと、実物に近いクオリティーで3D配置しようとこだわった。最終的には人間に(頭で)想像をさせたくない」と浮城氏は鼻息荒い。

■他社巻き込み、目指すは業界のプラットフォーム

ベガの場合、自社ECとしては、自社製品を扱う旗艦店のLOWYAのほか、大塚家具やフランスベッドなど他社の家具を販売する「Laig(ライグ)」、さらに国境を越えて通信販売を行う越境EC「DOKODEMO(ドコデモ)」の3本柱を持つ。

訪日外国人観光客(インバウンド)が2018年に約3119万人に上るなど、インバウンド需要が増す中、自社の越境ECは同業各社との連携を図れる有力な武器だろう。「訪日した旅行者が日本の商品に触れ、国に戻った後に商品を手に入れたくても、高かったり、入手できなかったりする。これは販売チャネルの問題で、機会損失が生まれてしまう。実はサーバー1つで解決できる」(浮城氏)。

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