30歳「ネカフェ難民」から抜け出た彼の壮絶半生 「人の役に立つ仕事がしたい」の思いで働く

東洋経済オンライン / 2019年3月31日 18時0分

猫と一緒に暮らすのが夢だと語ってくれた康介さん(仮名、筆者撮影)

一般的に30歳は節目の年と言われている。今の30歳は1988年、1989年生まれ。景気のいい時代を知らない現在の30歳は、お金に関してどんな価値観を抱いているのか。大成功をした著名な人ばかり注目されがちだが、等身大の人にこそ共感が集まる時代でもある。30歳とお金の向き合い方について洗い出す連載、第12回。

■親にネグレクトされて育つ

取材当日、ずいぶんと筋骨隆々の男性が現れた。趣味で格闘技をやっているらしい。康介さん(30歳、仮名)は関東某県出身で、現在はパチンコ店と倉庫での荷降ろし作業のバイトを掛け持ちしているフリーター。「この仕事、もう辞めたいんです」と、取材依頼の連絡を取ったときから打ち明けていた。

話を聞いていると、康介さんはいわゆる機能不全家族(家庭内にアルコール依存症の人がいたり虐待が起こったりして家庭が崩壊している状態)だったことに気づいた。現在は家族と絶縁状態のようで「父も妹も生きているかどうか知りません」と、少々ぶっきらぼうに言い放った。

父は会社員で母は専業主婦。母はアルコール依存症で、時折酒のおつかいに行かされ、その際に渡されるお金のお釣りをお小遣いにしていたこともあった。また、母親の口癖は「金がない」で、理不尽な理由で殴られることが多かった。

「小学生の頃、食事が用意されていないことも多かったので、学校の給食が頼りでしたね。これで1食は確保できる。お小遣いは月に1000円くらいもらってたんじゃないかな。当時はやっていたカードゲームや漫画を買っていたような気がします。

僕が15歳のとき、母は酒の飲みすぎで肝臓を壊して亡くなりました。その後、父と妹と3人で暮らしていたのですが、急に父の羽振りがよくなって頻繁にお小遣いをくれるようになりました。それは母が死んで生命保険が振り込まれ、父が仕事を辞めたからだと後になってわかりました。そして、その保険金を使い込んで父は失踪してしまいました」

このとき康介さんはまだ高校生。保護者が必要な年齢だ。幸い、失踪した父親はすぐに見つかったが、父親が失踪している間、妹は親戚の家に預けられ、康介さんは飼い犬とともに一軒家で1人過ごした。

その後、康介さんも妹とは別の親戚の家に預けられた。しかし、親戚と折り合いが悪かったため、あまり帰らず、友達の家を泊まり歩く日々が続いていた。飲食店でアルバイトも始めたが「態度が悪い」と言われ、わずか1週間でクビになってしまった。

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