アメリカの「イタい黒歴史」に追随する属国日本 陰謀論やカルトを生み出す「空っぽの容器」

東洋経済オンライン / 2019年4月5日 18時0分

「ディズニーランドってすごいの! 本当に夢の国。どこを見ても徹底して絵本の中の世界みたいで、ゴミ一つ落ちていないの。トイレなんて舐めてもいいぐらい素敵なんだから!」

おばさん東京行ってすっかり頭が変になったよ、と子ども心に心配する反面、熱に浮かされたように語られるディズニーランドという場所への憧れも抱いたものだ。実際、あの徹底した演出には驚かされる。裏側にはかなりブラックな就業体制があると伝わるようになったが、それでも人気は衰えない。驚愕するほど並ばされるというのに、多くの来園者が夢中になる「夢と魔法の王国」は、幻想という引力で人々を魅了している。

■現実と幻想を近づけたプレイボーイ誌

ディズニーランドは不健全な要素を一切排除した幻想で成功したが、ラスベガスはその真逆でいかがわしく、みだらな幻想をビジネスにした場所だ。そして、1953年に創刊し、たちまち月刊100万部の人気雑誌になった『プレイボーイ』誌は、それまでモノクロ印刷された粗悪品だったポルノ雑誌を、腕のいいカメラマンを使い高級感のあるカラー印刷にしたことが大成功を呼んだ。

アンダーセンは、登場する「プレイメイト」(『プレイボーイ』誌の女性ヌードモデル)が、「どこからどう見ても普通らしく見える幻想」を提示したことが天才的だったと分析する。プレイメイトの趣味や、好きな本など、生活に関する月並みな情報を提供することで、読者の男性たちにとってより「現実らしい幻想」を見せたのだ。

《どのページも、読者の男たちにこう訴えかけていた。「あなたは、うっとうしい家庭の用事やくだらない仕事を抱えた、孤独で臆病なまぬけではない。男らしいうえに洗練されており、上品で機知に富み、着こなしもセンスも趣味もよく、恋愛感情抜きでセックスをしたがる女性でいっぱいの愉快な国にいる」》(上巻p.286より)

あほか、そんな女性たまにしかいませんよと言いたくなるが、視覚的に幻想と現実の距離を縮めて、人の心を虜にしてしまう手法は、幻想を料理し尽くしてきたアメリカらしい発想だと言うしかない。

■第二のファンタジーランド、日本

ただ、幻想と現実の距離を縮める手法は、現在、インターネットの技術と合わさったことによって、かなり危ういものになってしまったと思う。

『プレイボーイ』誌の手法を、個人対個人にまで浸透させたものの1つがアメリカ産SNS「フェイスブック」であるとはいえないだろうか。現実と幻想の距離が縮まりすぎて区別がつかなくなった人間によるストーカー事件は絶えないし、虚実ないまぜで人の心を扇動するフェイクニュースの温床にもなっている。

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