幼児を放置して「彼氏」に会う42歳女性の悲哀 北関東出身で、親の愛を知らずに育った

東洋経済オンライン / 2019年4月5日 7時50分

毎日イライラして6歳の長女に暴言を吐いているという沢田さん(編集部撮影)

この連載では、女性、とくに単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。

今回紹介するのは、「私も北関東出身で、この記事にすごく共感しました。ただ、私の地元はもっと田舎で風俗すらないです。私は誰の助けも得ることができず、学校(専門)も捨てて飛び出してきました」と編集部にメールをくれた42歳の女性だ。

【2019年4月5日17時35分追記】取材に応じた42歳の女性は現在、地元の児童相談所と自治体の担当課と連絡を取り合い、相談を進めています。

■カラダを動かすのは彼氏に会いに行くときだけ

「私、子どもを虐待しているかもしれません」

沢田綾子さん(仮名、42歳)はファミレスに入るなり、そう語りだした。表情は真顔だった。店内は昼時で混みあっていたが、声は若干大きく、誰に聞かれてもかまわないといった様子だ。彼女が虐待しているかもしれない子どもは、6歳の保育園に通う長女という。

「もう、毎日、毎日、ずっとイライラしています。最近、子どもに暴言を叫んでいることに気づきました。朝や夜、必ず子どもに怒っているんです。うるせーんだよ! 静かにしろよ! 早くしろよ!って」

埼玉県北部のある駅前、低価格で有名なファミレスで待ち合わせた。東京から2時間ほど、JRの車窓からはずっとなにもない田園風景が続いたが、その駅の周辺だけわずかに商業施設が建ち、数は少ないが通行人がいた。

バツ1のシングルマザーで、近くの県営団地に住んでいる。家賃は月7700円、低所得なので減免を受けていて安い。家族関係は複雑で現在中学生の長男は元夫との子で、6歳の長女は未婚の元恋人との子どもである。

「明らかにネグレクトです。上の子が中学生になって、お風呂を入れるとか着替えさせるとか、いろいろ押しつけるようになりました。私は基本的に、一日中ぼーっと寝ているだけ。カラダを動かすのは彼氏に会いに行くときくらいです。育児をする気が起きません」

一家が暮らす団地の一室は、いつも母親の怒鳴り声と子どもの絶叫するような泣き声が聞こえる。毎日、うるさいので隣近所には嫌われている。近所付き合いは一切なく、保育園のママたちの中でも浮いている。ネグレクトや虐待の自覚はあって、このままではいけないと思っても、やめることはできないという。

前々回の記事(北関東出身の彼女が地元と実家に絶望するワケ)がアップされたその日に、沢田さんから“私も同じ境遇で、すごく共感しました”というメッセージが届いた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング