「労働時間の上限規制」が変える働くことの意味 働き方改革の本質を見失ってはいけない

東洋経済オンライン / 2019年4月6日 7時40分

残業時間を超過していないか、社員一人ひとりに意識づけが必要となります(写真:KazuA/ PIXTA)

いよいよ4月1日から働き方改革関連法の一部施行が始まりました。改正法の大枠は

Ⅰ 労働基準法・労働安全衛生法による労働時間関連の法改正 
Ⅱ 同一労働同一賃金に関するもの

となっており、このうち「Ⅰ」の部分が4月から施行となります(労働時間の上限規制について中小企業は2020年4月から、Ⅱについても大企業は2020年、中小企業は2021年からです)。

働き方改革関連法は全部で30本以上の法改正から成っていますが、その中でトップ3として重要な項目があります。それは

①労働時間の上限規制
②有給休暇5日を取得(させる)義務
③労働時間の状況を客観的に把握する義務

の3点です。

上記のとおり、①は中小企業については来年からの施行となりますが、②については即時施行されますので要注意です。今回は①について解説します。

ただ、その前に、「働き方改革」の本質について今一度確認しておきましょう。労働時間を減らすだけが働き方改革ではないのです。

■改革の前提は「昭和的働き方」を変えること

近時、「働き方改革」という言葉を目にすることが多くなりましたが、その意味を理解しているケースは思いのほか少ないといえます。そもそも、働き方改革は、「改革」ですから、何か「改革すべき対象」があるのです。

端的に言えば、それは「昭和的働き方(日本型雇用)」を改革するということです。昭和的働き方の特徴は、「家庭のことは奥さんに任せて男性は仕事中心の人生を送る」というロールモデルに代表される長時間労働、全国転勤、職種無限定のような働き方のことです(その他、企業内組合、終身雇用、年功序列という特徴もあります)。

昭和的な働き方における労働者像は、上記のような男性中心の同質的な(同じような属性の)ものでした。とすれば、労働者をマネジメントする側の人事としても、同質性を前提とした一律のマネジメント(例えば、長時間労働に耐えられない人は採用しない)でよかったのです。

しかし、このような昭和的働き方は限界を迎えています。長時間労働による過労死・過労自殺が世間の関心事となり、労働力人口も今後減少することは確実だからです。つまり、さまざまな価値観や「制約」(育児・介護・病気・障害・外国人・高年齢者等)を抱えている人の個々の事情に合わせて、各人の戦力を最大化するための多様なマネジメントが必要となるのです。

そして、多様なマネジメントを通じて実施される「従業員価値を最大化するための施策」こそが働き方改革の本質ということになります。

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