今季好調の湘南ベルマーレが変貌を遂げたワケ 梅崎選手が語る「個人と組織の成長」の秘訣

東洋経済オンライン / 2019年4月9日 8時30分

昨年、浦和レッズからベルマーレに移籍してきた梅崎司選手。最後の最後までもつれた残留争いについて振り返ってもらった(写真:Etsuo Hara)

3月24日、2冊目となる著書『どん底から何度でも這い上がる 折れない心の21の物語』を上梓したサッカーJ1リーグ、湘南ベルマーレ所属の梅崎司選手。著書には、父親の激しいDVに怯えて過ごした子ども時代から、チームメイトによるイジメ、海外での孤独、五輪代表落選、選手生命も危ぶまれた2度の大ケガなど何度もどん底に叩き落されてきた梅崎選手が、どうやってはい上がってきたのか、その過程と心境が綿密につづられている。

昨季、最終節まで残留を争った湘南ベルマーレは、今季6試合を終えて8位につけている。チームの好調を支えているのは司令塔の梅崎選手だ。浦和レッズから湘南ベルマーレへの移籍は、長らくくすぶっていた梅崎選手を覚醒させた。その背景には、梅崎選手とチーム、それぞれ知られざる危機と転機があったという。

■チームメイトとの言い争い

僕は昨シーズン、浦和レッズから湘南ベルマーレに移籍してきました。湘南の曺貴裁監督から声をかけてもらい、熱い気持ちを持って湘南ベルマーレに加入したものの、ケガなどもあり、当初はチームにまったくフィットしていませんでした。チームの調子も上がらず、4勝6敗3分という苦しい状況の中で行われた2018年5月12日、J1リーグ第14節の清水エスパルス戦。いいところなく2ー4で大敗を喫した試合後のことです。

僕は後半15分から途中出場したのですが何もできず、ふがいない自分のプレーにもチームのパフォーマンスにもいら立ち、ロッカールームに戻った瞬間に、給水ボトルをたたきつけてしまいました。

この振る舞いを見たゴールキーパーの秋元陽太が、「おい、お前、何様だよ。全然やってないのに、キレてんじゃねえよ!」と言ってきたんです。そこから、僕と秋元の激しい言い争いが始まりました。

言い争いの途中で、監督インタビューを終えた曺監督がロッカールームに戻ってきました。僕と秋元はさすがに口を閉じましたが、ロッカールームのおかしな雰囲気にすぐに気づいた曺監督は、「お前ら、言いたいことがあるならここで言い合え。本気で思っていることをぶつけないと、うちは(J1から)落ちるぞ」と話したんです。

それから、曺監督はチーム全体、一人ひとり選手を名指しして、「お前はどう思っているんだ」と聞き始めました。曺監督は、曖昧な言葉、抽象的な言葉を口にした選手に対して、「誰に言ってるんだよ」「はっきり言えよ」と問い詰めました。そうして曺監督に促された僕らは、それぞれ遠慮ない意見をぶつけ合ったんです。

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