東京のバリアフリーに足りない「観光客目線」 英語で観光情報を伝える車いす生活者の思い

東洋経済オンライン / 2019年4月20日 13時0分

グリズデイルさんに東京のバリアフリーの現状と課題について話してもらった。まずはホテル。グリズデイルさんの実感では、東京都内のバリアフリーのホテルは決して多くない。サイトでは4月8日現在、東京都内の67のホテルを掲載。バリアフリーの客室の広さや、浴室のシャワーチェアや手すりの有無、トイレの背もたれの有無などを解説している。

問題はバリアフリーの部屋を複数持つホテルがわずかしかないこと。最も多いのは新宿区の京王プラザホテルで13室。三井ガーデンホテルは6室あるところが2カ所、3室あるところが1カ所あるが、そのほかのホテルでは1室しかないところが多い。

■外国人が予約しづらいバリアフリーの部屋

しかし、問題はそれだけではない。現状では外国人がバリアフリーの部屋を探すこと自体が困難だという。

「ほとんどのホテルのホームページは、バリアフリーについて日本語では書いていますが、英語版のページには書いていません。それに多くのホテルがメールアドレスを掲載していないので、外国人は連絡が取りにくいのです。電話では英語が通じているのかわからないことも多く、不安になります」

日本のバリアフリーの部屋を調べているうちに、グリズデイルさんが驚いたことがある。それはスタンダードの部屋しかないことだった。アメリカのホテルでは、デラックスルームやスイートルームなど、すべてのグレードの部屋にバリアフリーの部屋がある。

「おそらく日本のホテルの関係者は、障害のある人はお金を持っていないと思い込んでいるのだと思います。しかし、そんなことはありません。先日、ラグビーのワールドカップを見に東京に行きたいという問い合わせがあり、その方は5つ星ホテルのバリアフリールームを5週間予約しました。車いすユーザーにもビジネスで成功している人はいますからお金がないと思うのは間違いです」

続いては交通機関。世界の都市に比べて、東京の電車や地下鉄はバリアフリーが進んでいると、グリズデイルさんは高く評価している。

「私が初めて来日したときは、まだバリアフリー化した駅は少なかったのですが、今はほぼ整備されました。駅員さんがスロープを出してくれる姿を見て、感動する観光客もいます」

ただ、課題もある。それは車いすユーザーが一度にたくさん来たときの対応だ。日本の駅のエレベーターは、車いすが1台か2台しか乗れない大きさのものが多い。そのため複数の車いすユーザーが同時に来た場合、移動に予想以上の時間がかかるという。

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