ラウンドワン「ボウリング復活」へ放つ一手 映像・音声で初対面の客同士つなぎ、遠隔対戦

東洋経済オンライン / 2019年4月21日 7時50分

ボウリング場の経営は、至ってシンプルな「装置産業」だ。最初にボウリング機器を取りそろえ、あとは集客で初期投資を回収していく。客層は1人で訪れてマイボールやマイシューズをそろえるようなスポーツ型と、グループで遊びに来るレジャー型に二分できる。着替えが要らないスポーツ兼娯楽であるボウリングの裾野は急速に広がっていった。

ただ、「100レーン規模の施設も登場し、とにかく儲かるとボウリング場が過剰に増えた」(笹生氏)。その結果、ボウリング場の間で過当競争が起き、採算が悪化。1973年に発生したオイルショックによる不景気も重なり、ボウリング場の数は1976年に900店以下までに減少し、ブームは急速にしぼんでいった。

その後、現在ではなじみの深い自動スコアラーが登場し、増加した郊外型ショッピングセンターの集客装置となることで1200店舗近くまで回復したが、1998年をピークに再び減少。2018年12月時点で758店まで縮小している。

2000年代に快進撃を見せたラウンドワンの国内ボウリング事業も、リーマンショック以降は下降トレンドから抜け出せずにいる。

その理由について、ラウンドワンの杉野社長は「ボウリング業界に目新しい変化がなかったからだ」と指摘する。「1980年代の自動スコア以来、ボウリング設備メーカーは話題を呼ぶ新機能をリリースしてくれなかった」(同)。

■ボウリングを支えるのはシニア層

チェーン展開するボウリング場を除くと、ボウリング業界を支えているのは、ボウリングをスポーツとしてとらえて、人が少ない午前中に本気でプレーするシニア層が中心だとされる。彼らからすれば、最低限の機能さえ担保されていれば、プレーに大きな問題はない。

だが、ラウンドワンの客層はアミューズメント感覚の一般人が中心。「減ったのはレジャー層の方が大きいと思う。余暇が多様化すれば(ほかの娯楽やスポーツに)吸収されてしまう浮動層にあたる」(笹生氏)。

その点、現代のレジャー業界は、家庭用ゲーム機から動画配信サービスまで、多様な娯楽・サービスと消費者の時間を取り合っている。ゲームセンターは景品を、カラオケは新曲を追加・更新する中、レジャー感覚の層を狙ったラウンドワンのボウリングのみ変化しなくていい理屈はなかった。「新規機種が出たら導入したかった。それを信じて待ったが、10年経っても、15年経っても出てこなかった」(杉野社長)。

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