「薬物依存俳優」にアメリカ人が超寛容な理由 アベンジャーズ俳優も「依存症」に苦しんだ

東洋経済オンライン / 2019年4月22日 13時0分

ゴールデンタイムに放映される子どもも見る国民的人気番組だったが、追い出されなかったのだ。アメリカではとりあえず時間どおりに現場に来て仕事をこなせるなら回復を見守るというのが、基本的な姿勢なのだろう。番組の視聴者からも、そのことに対する異議は聞かれていない。

それでも、ペリーは、「フレンズ」のシーズンの合間に映画を撮影した折、途中で依存症が悪化して治療のためにロケ地を抜け、ロサンゼルスに戻るということをしている。それによって、製作予算にも影響が出ているはずだ。

ダウニー・Jr.も、ドラマ「アリーmy Love」出演中に薬物がらみの警察沙汰で出演を続けられなくなったことがあった。だが、そのどちらのときも、シーンが「Two and a Half Men 」を急きょクビになったときも、損害賠償はどうなるのか、などという話題は出ていない。おそらく、契約書ではあらゆる場合が想定され、対応が決められているのだろう。

■薬物によって亡くなった場合どうする?

撮影中にODで死んでしまったという場合も、はたしてどうやって撮影を続けるのか、という物理的な部分の話は出ても、この人のせいで出る損失をどうするか、という話はまず聞かない。実際にそのような問題で頭を抱える人はいるのだろうが、誰かが亡くなったときにそんな話を出すのは不謹慎だという配慮と思われる。

2008年に急性薬物中毒で亡くなったヒース・レジャーの主演作『Dr. パルナサスの鏡』は、レジャーの友人だったジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が代役を務めることで完成した。3人はギャラをレジャーの娘に寄付している。

フィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなったとき、『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』を撮影中だったが、彼の出演シーンはほとんど撮影が済んでおり、残りは脚本の書き換えで対応した。

それらの映画が公開されたとき、人々は、純粋に彼らに敬意を捧げ、才能ある人を失ったことを悲しんでいる。違法ドラッグをやるから悪いのだというような声はまるで出ないし、レジャーは死後に『ダークナイト』でオスカー助演男優賞を受賞してもいる。

リバー・フェニックス、ジョン・べルーシ、ホイットニー・ヒューストン、クリス・ファーレイなど、ハリウッドはあまりにも多くの人々をドラッグのせいで失ってきているがために、この悲しい現実を人は受け入れ、「また起きてしまったのか」と、ただやるせなさを感じるのかもしれない。

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