野村HD、10年ぶり赤字で「店舗2割減」の荒療治 永井CEO「伝統的ビジネスモデルは崩壊した」

東洋経済オンライン / 2019年4月23日 6時40分

10年ぶりの最終赤字に転落する見通しとなったことを受け、国内店舗をリストラするなどの事業再構築計画を発表した野村ホールディングスの永井浩二CEO(撮影:今井康一)

国内証券のガリバー、野村ホールディングス(HD)が業績不振にあえいでいる。

4月25日発表予定の2019年3月期決算は、10年ぶりの最終赤字に陥る見通しだ。株式市場の低迷で国内証券リテールが低迷したほか、欧米の債券ビジネス(ホールセール)が大苦戦。アメリカ和解費用やのれん減損なども響いている。

こうした業績不振を受け、野村HDは海外ホールセールと国内リテールを軸とした事業再構築計画を4月に発表。再構築計画の狙いは何か。野村ホールディングスの永井浩二CEO(最高経営責任者)に聞いた。

■伝統的なビジネスモデルは崩壊した

――4月4日にリストラ計画を正式発表しました。2018年から世界の金融市場や経済情勢は動揺が続いていますが、その影響が大きいのでしょうか。

いや、世界経済そのものに対してはネガティブな見通しをあまり持っていない。決断したのは、われわれの伝統的なビジネスモデルが崩壊したからだ。具体的には、負債でレバレッジをかけてバランスシートの資産を膨らまし、債券(フィックスト・インカム)の在庫を大量に抱えて市場に流動性を供給するビジネスモデルのことだ。

――野村證券が伝統的に強みを持っていた分野の1つです。なぜ崩壊したのですか。

最大の要因は、各国中央銀行が続ける非伝統的な金融政策の影響だ。2008年のリーマンショック以降、アメリカや欧州、日本の中央銀行はマイナス金利を含めた超低金利政策をとり、さらに量的緩和政策によって市場から国債を大量に買い上げてきた。一時的に落ち込んだ経済ショックに対しては有効な手法だと思うが、問題はそれを必要以上に長く続けてしまったことだ。その結果、世界の国債市場では流動性が極端に枯渇し、従来型の債券ビジネスは成り立たなくなってしまった。

――量的緩和政策の長期化はずっと指摘されてきたことですが、なぜ今、リストラ計画なのでしょうか。

各国が量的緩和政策を続けたが、その中でもアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は、それを長期化させることのリスクをわかっていた。だから、いち早く2015年からテーパリング(量的緩和縮小)を始め、その後も量的緩和の終了、利上げやバランスシートの縮小と、金融政策を異常モードから正常モードに戻してきた。そのため遅かれ早かれ、経済が巡航速度に戻れば、日本でも金融政策の正常化が起こってくるだろうとわれわれは思っていた。

しかし残念ながら、それは当分起きそうにないことが、この半年ではっきりした。いちばんわかりやすい例で言えば、FRBが年初に利上げとバランスシート縮小の政策を方向転換したことだ。

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