中国人が山ほど金使う「日本観光」の残念な実情 富裕層を取り込む「グルメ・ツーリズム」とは

東洋経済オンライン / 2019年4月24日 8時10分

訪日中国人富裕層にとって日本への観光におけるいちばんの楽しみはグルメです。写真はイメージ(写真:horiphoto/PIXTA)

訪日中国人富裕層は、地方の観光地にとってインバウンド戦略の重要なターゲットである。

中国人富裕層が日本観光にますます注目するようになっているが、筆者が地方自治体や企業の方々からよく尋ねられるのは、「訪日中国人富裕層を取り込みたいが、方法がわからない」ということだ。

地方だけでなく東京・大阪といった都市圏ですら、訪日中国人富裕層への理解は非常に不足しており、ビジネスチャンスを逸失している状況だと筆者は痛感している。

今回は、地方にとっても訪日中国人富裕層を取り込むには有望なジャンルのひとつである「グルメ・ツーリズム」をご紹介したい。

■訪日中国人富裕層のこだわりとは?

彼らのいちばんのこだわりは、間違いなくグルメだ。昔から中国人は「美味」を好む。貧困時代を乗り越え、経済状況がよくなった時期の最初の象徴は食卓だった。食べきれないほどの料理でおもてなしするのが、中国人ならではの流儀で、食べきれる量しかないということは貧乏くさい、ケチっぽいという意識を持っている人も多い。

海外旅行では、西洋料理などを楽しみにミシュランの星付きレストランに行くが、不慣れな食材や調味料が多く、必ずしも口に合わないことも事実である。

しかし、日本料理は違う。同じアジアなので、食材や好みが近い。また、中国ないし世界中に日本料理ブームがあり、どこに行っても日本料理店(中国語だと「日料」(リーリョウーと読む)があちこちにある。ただ日本以外の国にある日本料理店はとにかく高価だ。

余談になるが、筆者が「焼肉 牛角」を初めて食べたのは数年前のニューヨークだった。高級日本料理として在米中国人やニューヨークで話題になり、予約するだけでも大変だった。飲み物を注文しなくても1人当たり1万円以上かかった。そんな高級料理の印象が強かったが、日本に留学したら、どこでもあるとてもリーズナブルなお店だと知ったときは大きな衝撃を受けたものだ。

牛角だけでなく、「ラーメン 一蘭」「大戸屋」など日本のチェーン店から、本格懐石和食まで海外におけるブランディングが上手だったので、「日本レストラン=高い」というイメージが世界中で醸成された。中国国内でも同様で、店員もお客も日本人がいない懐石料理店では、1人当たり2万~3万円が普通。日本人料理人が仕切るところだと、1人当たり5万円であっても予約でいっぱいなのだ。

したがって、「高級」なイメージのある日本料理の本場に来たら、何より楽しみたいのは、日本食だ。「寿司」「和牛」「懐石料理」などは有名なので、ぜひ本場の味、本当の高級グルメを楽しんでみたい気持ちが強い。値段についても寛容で、「いちばんいいものを出してくれたらOK」という考えである。

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