「テスラ進出」に身構える中国メーカーの思惑 規制緩和でEVシフト加速、競争激化は必至

東洋経済オンライン / 2019年4月26日 8時0分

4月16日に開かれた上海モーターショーで小鵬汽車・何小鵬CEOが新車種「P7」をPR。中国での新興EVメーカーの存在感は大きくなっている(筆者撮影)

今年3月末、アメリカ発の自動車運搬船「MORNING CINDY」が上海港に入港した。積まれていたのはアメリカ電気自動車(EV)メーカー、テスラが中国向けに販売する1600台の新型EV「モデル3」だ。長距離走行用の「モデル3」のほかに、小売価格が11万ドル(約1200万円)もする高級セダン「モデルS」を中国に輸出すると同時に、その「モデル3」を生産する上海新工場を年内に稼動させる。テスラの中国進出は、中国自動車業界に大きな波紋を投げかけている。

4月16日に開かれた上海モーターショーで、新興EVメーカーの小鵬汽車が「テスラ・モデル3より自動駐車機能が優れるスマートカー」と大々的に打ち出した航続距離600kmの新車種「P7」を発表した。

ほかにも蔚来汽車(NIO)、威馬汽車、BYTONなど新興EVメーカー15社が披露した新型スマートカーが注目を浴びている。中国政府の補助金政策を追い風に中国のEV市場は急速に拡大。この数年間に多くの新興EVメーカーが開発に乗り出した。

一方、2020年末の補助金政策の廃止は既定路線であり、テスラをはじめとする外資系自動車メーカーがEV市場に本格参入する状況にあって、新興EVメーカーは今まさに危急存亡の秋を迎えている。

■中国のEV市場開放でチャンスをつかんだテスラ

テスラは中国でのEV需要増を見据え、「モデルS」の輸入車販売を2014年から開始した。すでに中国全土に急速充電設備を1000台超、体験センターを約30店舗設置している。中国での販売台数は1万4020台、中国EV市場におけるシェアは約2%にとどまっている。

富裕層の多い大都市での販売台数が全体の80%を占める状況は、アメリカからの全量輸入に起因する高価格が拡販の足かせとなっていることを示している。

2018年6月、中国政府は大胆な市場開放政策を打ち出し、EV市場における外資の出資制限を撤廃した。この発表はテスラにとって絶好のチャンスとなった。2019年1月8日、中国における外資独資の自動車工場の第1号、「ギガファクトリー3」と名付けられるテスラ上海工場を建設し始めた。新工場の最大生産能力は50万台、本年末から「モデル3」と「モデルY」を生産する。

一方で、テスラのEV現地生産が地場自動車メーカーの競争力低下を助長するのではないか、と懸念する声がある。仮に「モデル 3」の販売価格が500万円台に収まれば、地場ブランドの中高級EVや欧米系プラグインハイブリッド車と十分競い合える価格水準となる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング