安倍首相、「祝賀てんこ盛り」で政権浮揚の思惑 夏の参院選は改選過半数の63議席超えも

東洋経済オンライン / 2019年4月26日 7時50分

欧米歴訪に出発する安倍晋三首相(中央)ら。29日までにフランス、イタリア、東欧4カ国、欧州連合、アメリカ、カナダの首脳らと相次いで会談する(写真:時事通信)

令和新時代スタートまで1週間を切る中、統一地方選を終えて欧米での首脳外交にいそしむ安倍晋三首相の表情には余裕と自信がにじんでいる。

統一地方選の焦点となった大阪ダブル(府知事・市長)選と衆院2補選での手痛い敗北も「地域の特殊事情」と見切り、全体では自民党が堅調だったことから夏の参院選に手ごたえを感じているからだ。新元号決定や新紙幣の発表、10連休真っただ中の歴史的な皇位継承行事も、首相サイドが巧妙に設定した政権浮揚戦略の一環とみられている。列島全体での“令和フィーバー”も思惑通りといえそうだ。

■自民党の補欠選挙連勝はストップした

参院選の行方を占う統一地方選は、前半戦(4月7日)の焦点である大阪府知事・市長選で大阪維新の会が圧勝。さらに、後半戦(4月21日)の衆院大阪12区、同沖縄3区の両補欠選挙でも、それぞれ維新、野党系候補が勝利し、第2次安倍政権発足前から続いてきた自民党の衆参補選連勝もストップした。

こうした選挙結果について、多くのメデイアは「政権に打撃」「参院選に暗雲」などと書き立て、安倍首相は22日午前、「残念な結果になった。いま一度、身を引き締めなければならない」と殊勝な表情で語った。菅義偉官房長官は同日昼の政府・与党協議会で「首相から指示もあったので、緊張感を持ってやっていく」と述べ、選挙戦の司令塔だった二階俊博自民党幹事長も記者会見で「選挙結果を反省材料に次なる戦いに挑み、勝利で屈辱を晴らしたい」と態勢立て直しへの決意を表明した。

ただ、安倍首相は22日昼前には昭恵夫人を伴って新しい政府専用機でフランスに向けて飛び立った。搭乗時は黒いワンピース姿だった昭恵夫人はフランス到着時には明るいクリーム色のスーツに着替え、首相も空港に出迎えた要人たちと満面の笑みで握手するなど心機一転ぶりが際立った。

統一地方選の最中には塚田一郎国土交通副大臣、桜田義孝五輪担当相が相次いで辞任に追い込まれ、首相の任命責任も厳しく問われた。にもかかわらず、新元号決定以来の内閣支持率は上昇傾向が続いている。安倍首相や政府与党幹部が「危機は一過性」(自民幹部)と余裕を見せるのは、夏までの「巧妙な政治日程づくり」(自民長老)が背景にあるとみられる。

そもそも、歴史的な皇位継承行事を軸とする10連休を設定したのは安倍政権だ。4月30日の天皇退位、翌5月1日の新天皇即位と、令和への改元で国民の間に令和フィーバーを巻き起こし、それまでの政権不祥事などを一気に過去のものしようとの思惑は「今のところ図に当たっている」(自民幹部)のは間違いない。自民幹部も3月下旬に「もし、統一地方選が政権にとって厳しい結果になっても、祝賀ムードで内閣支持率も上がり、後半国会での与野党攻防も主導権を握れる」と自信を示していた。

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