全国制覇のコメダ、地元名古屋での愛され方 「コーヒーを進化」させないと将来が厳しい

東洋経済オンライン / 2019年4月28日 7時50分

住宅街の風景に溶け込む「コメダ珈琲店 松風店」。郊外にある大型店のイメージが強いコメダだが、発祥地の名古屋にはこんな店も残る(筆者撮影)

「名古屋発の喫茶店・コメダが全国制覇を達成」

雑誌の記事タイトルふうでは、こうなるか。国内店舗数で835店(2019年2月現在)を展開し、「スターバックスコーヒー」「ドトールコーヒーショップ」に次ぐ国内3位の「コメダ珈琲店」が、2019年6月、青森県への出店を予定している。開店すれば全47都道府県を制覇することになる。

1968年に名古屋市の下町・西区で開業した個人経営の喫茶店が、半世紀でここまで拡大した。この間、創業40年の2008年に、創業者の加藤太郎氏が保有する全株式を投資ファンドに売却した。当時の店舗数は300台、以後、10年で約500店を上乗せした。

急拡大するコメダを発祥地の「名古屋人」(愛知県民を含む)はどう見ているのか。長年営業する加盟店を訪問し、各地で利用者の声を聞いた。

■住宅街の中にある一軒家

土曜日の朝8時すぎ。名古屋市昭和区の住宅街にある「コメダ珈琲店 松風店」は、20数席の座席がほぼ埋まっていた。事前に来店目的も告げず、単独でアポなし訪問をした筆者だが、1つだけ空いていた4人掛け座席に案内された。その後にグループ客が来店すれば移動を求められたかもしれないが、空いている以上、そうしないのも流儀のようだ。

周囲を見渡すと高齢客が多い。大半の人が手にするのは新聞や雑誌だ。1人を除いてスマホを見る人はいない。隣の年配夫婦は、夫が中日スポーツ、妻は週刊誌だった。ちなみに全席が喫煙可。長年喫茶店取材をする筆者も、久しぶりに見る“昭和の風景”だ。

松風店の開業は1983年12月で、今年で36年になる。店主の伊藤達也さん・博子さん夫婦がずっと切り盛りしてきた。かつては従業員を雇ったが、営業時間を7時から16時に短縮した現在は週に数回、近くに住む娘さんが手伝いに来るという。

「この店の8割ぐらいは常連客です。今の時間は、近所の人がモーニングをとりに来店する。今日はもう少しするとグループ客が来る日。ほとんどの人が顔なじみだね」

作業をしながら話す達也さんに、飲食を作る博子さんが「これはバターなしだから××さん(常連客)のトーストね」と声をかける。名古屋喫茶らしいのが、常連客の「コーヒーチケット」(回数券型の割引券)をボトルキープのように預かることだ。

コメダの成長要因の1つは、この“ご近所ぶり”だ。朝のモーニングサービス時間帯は、常連客が「いつもの」と注文すれば、無料でつくトーストを「Aさんはバター少なめ」「Bさんは耳切り(パンの耳を切る)」「Cさんはよく焼き」(少しこんがり焼く)というように常連客の好みで提供する。口を開かず、表情で注文するお客もいる。

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