トヨタが中国で「新興EVメーカー」と組んだ事情 「C-HR」のEVを世界に先駆け、中国に投入へ

東洋経済オンライン / 2019年5月3日 7時10分

4月下旬に開かれた上海モーターショーでトヨタのSUV「C-HR」の電気自動車が初披露された(記者撮影)

中国市場でトヨタ自動車の動きが急加速している。

4月25日まで開かれていた上海モーターショーでトヨタは、日本でも人気が高いSUV(スポーツ用多目的車)の「C-HR」と、その兄弟車の「イゾア(IZOA)」の電気自動車(EV)を初披露した。トヨタで初となる自社開発の量産型EVで、世界に先駆けて中国市場で2020年に発売する。

「中国は電動化、知能化、情報化という新しい技術革新分野で世界をリードしており、トヨタも中国の未来の自動車社会に少しでもお役に立ちたい」と、トヨタの吉田守孝副社長は記者会見でそう強調した。

■出遅れた中国市場でトヨタが猛追

自動車の世界最大市場は中国だ。2018年の新車販売台数は2780万台と、28年ぶりに前年を下回ったとはいえ、約1730万台のアメリカ市場の1.6倍の規模を誇る。その中国で目下、絶好調なのがトヨタだ。2018年は147万台あまりを販売して、二ケタ成長を実現。これまで4%台だった中国でのシェアは5%を超えた。

もともとトヨタは中国市場で出遅れていた。1980年代、アメリカ進出を最優先にしていたトヨタは中国政府の進出要請を断ったことが後々まで響いたからだ。2000年代にようやく合弁で現地生産を開始したものの、2012年に尖閣諸島をめぐって日中関係が悪化した際に販売店が放火されたことなどもあり、中国市場での取り組みには腰が引けていた。

近年、トヨタは少しずつ中国市場に力を入れるようになっていた。昨年5月に中国の李克強首相が来日した際、北海道のトヨタ工場を訪問。豊田章男社長が「世界で一番速く成長している中国市場に一生懸命ついていき、先方から選ばれる会社になっていきたい」と発言するなど、積極姿勢に変わった。

中国では「カローラ」、「レビン」、「カムリ」といった中型セダン、「RAV4」や「ハイランダー」といったSUVが人気を博す。2015年にはハイブリッドシステムの現地生産を開始。ガソリン車との価格差を抑えたハイブリッド車(HV)の投入が可能になった上、日本から輸入する高級車ブランドのレクサスが関税引き下げの追い風を受けている。

勢いを駆って2019年も8%増の160万台の販売目標を掲げる。2019年1~3月は市場全体が前年同期を11%下回る中、トヨタの販売台数は7%増の34万8000台。この数字は、中国市場でこれまで日本勢トップだった日産自動車を同期間で4000台上回っている。

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