グーグルが示した「プライバシー不信」への回答 個人情報の「可視化」と「制御」とは?

東洋経済オンライン / 2019年5月13日 6時50分

5月7日アメリカ・カリフォルニア州で開催されたGoogle I/Oで発表された新機能「フェデレーテッドラーニング」とは?(筆者撮影)

最新テクノロジーによる未来的なライフスタイルを演出するプレゼンを期待していた聴衆からすると、5月7日に行われたGoogle I/O(グーグル主催の技術カンファレンス)におけるスンダー・ピチャイCEOの基調講演は、やや物足りないものに思えたかもしれない。

昨年は多数のAI技術をデモンストレーションし、デジタルアシスタントが電話を通じ、自然な会話でレストラン予約を行う……など刺激的なデモンストレーションがあった。今年も着実な進歩は示しているが、話題の中心はもっと落ち着いたものだ。

■新端末をiPhone XRの半額で発売する

自社ブランド端末「Pixel 3a」をiPhone XRの約半額(税込み4万8600円)で5月17日に発売すると発表したほか、公約としていた「プライバシー保護」の具体的な対策を発表することに時間を割いていた。

一方でゲーム開発者会議で発表していたStadia(クラウドを通じてコンピューターゲームを配信するサービス。ビジネスモデルなどは未発表)、自動運転のWaymoの進捗には触れられていない。仮想現実、拡張現実についても特別なアナウンスは行われなかった。

日本では大きな話題にはなっていないが、フェイスブックが大統領選に影響を与えるデータを提供していた事件をきっかけにアメリカではプライバシー保護の機運が高まっており、欧州でも新たな一般データ保護規則(GDPR)が施行されてから、広告事業にクラウドサービスから集めたデータを使うグーグルに厳しい目が向けられていた。

先端AI企業へと事業形態を変えてきているグーグルにとって、“プライバシー保護派”の批判をかわすことは、何よりも優先されることだったからだろう。なぜなら、グーグルがAI企業として前を進める理由の1つには、豊富なデータ収集力が背景としてあるからだ。

豊富なデータ収集力は、AI技術開発においては大きな武器だが、一方で一般消費者からの不信感も同時に買ってしまう。グーグルは特定個人と結びつけたデータビジネスは行っておらず、当然ながら外部にデータを販売することもないとしているが、一方でデータを基にしたターゲティング広告などの事業で収益を得ていることも事実だ。

スマートフォン領域で競合するアップルは、直接の名指しでは批判していないものの「自分たちはハードウェアメーカーであり、あらゆる手段を講じてネット利用の履歴を追跡できないよう設計している」と訴求していた。自分たちはデータを基にした一切の商売はしていない、というわけだ。

■「可視化」と「制御」の内容とは

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング