193億円赤字のライザップ、「結果」を出せるか 買収戦略の軌道修正を取引先銀行も注視

東洋経済オンライン / 2019年5月20日 7時0分

5月15日の決算会見で「出すべき膿は出した」とアピールしたRIZAPグループの瀬戸健社長(撮影:尾形文繁)

「出すべき膿は今回出した」

物腰は柔らかいが、力強い口調。そして、「僕も株主の1人。誠実な対応とは何かを深く考え、先延ばしすることなく手当てをした。出し切った分だけ(今後の業績回復に対する)自信はある」と付け加えた。

RIZAPグループ(以下、ライザップ)の瀬戸健社長はいつもの調子を取り戻していた。

■経営不振企業の買収で規模を拡大

ライザップは5月15日、2019年3月期の決算(国際会計基準)を発表した。最終利益は193億円の赤字に転落。90億円の最終黒字だった2018年3月期とはうってかわっての大赤字だ。

同社は2012年に開始したボディメイクジム事業で大ブレーク。同時に割安な価格で買える経営不振企業を矢継ぎ早に買収し、規模拡大の糧としてきた。上場企業では、2017年にカジュアル専門店のジーンズメイト、2018年には音楽・映像ソフト販売の「新星堂」を展開するワンダーコーポレーションなどを子会社化してきた。業績は倍々ゲームの勢いで伸びてきたが、それが一気に転落した格好だ。

ところが、決算発表の翌日に東洋経済の取材に応じた瀬戸社長は、業績のV字回復に向けた準備は整ったと自信をのぞかせた。自信の根拠とするのが「膿出し」だ。

まず買収一辺倒だった戦略を転換し、業績悪化の続くグループ会社の売却に踏み切った。その1社がシャンプーなど化粧品を販売するジャパンゲートウェイ。短期的な利益改善は難しいと経営再建を諦め、2017年12月の買収から約1年で手放すことにした。今年1月に売却し、7.7億円の売却損を計上した。

グループ各社の持つ合計1200超の店舗網にも大胆にメスを入れることにした。業態転換の必要性がある店舗は黒字店であっても閉鎖することを決めた。ワンダーコーポレーション、アパレルの三鈴(2016年に買収)やアンティローザ(2014年に買収)を中心に、グループ全体での閉鎖店舗数は219店にのぼる見通しだ。

これら店舗閉鎖や閉鎖に伴う商品在庫評価損などの膿出しにかけた費用は93億円にものぼった。損失がここまで膨らんだ原因は、成長を追求するあまりに買収そのものが目的になってしまっていたからだ。不振企業の買収が「暴飲暴食」になっていた。

その暴飲暴食を止めたのが、2018年6月にライザップ入りしたカルビー元会長の松本晃氏だった。

松本氏はライザップの取締役に就任した後、子会社の現場を積極的に視察した。そうすると、業績回復の手だてが思い浮かびもしないような企業が複数あることを知った。一方で、瀬戸社長は新たな買収をなお進めようとしている。松本氏は、「ライザップは成長と膨張をはき違えていた」と指摘する。

■松本氏は「新規買収凍結」を進言

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