ホームレスを食い物にする輩のありえない悪行 彼らの健康事情と貧困ビジネスの結びつき

東洋経済オンライン / 2019年5月24日 7時50分

亡くなったホームレスの小屋には花が供えられていた(写真)。病気などで亡くなることが少なくない、ホームレスの健康を悪用する貧困ビジネスの手口とは(筆者撮影)

ホームレス。いわゆる路上生活をしている人たちを指す言葉だ。貧富の格差が広がる先進国において、最貧困層と言ってもいい。厚生労働省の調査によると日本のホームレスは年々減少傾向にあるものの、2018年1月時点で4977人(うち女性は177人)もいる。そんなホームレスたちがなぜ路上生活をするようになったのか。その胸の内とは何か。ホームレスを長年取材してきた筆者がルポでその実態に迫る連載の第9回。

■健康を保つのが難しいホームレス

野宿生活はとても過酷だ。健康を保ち続けるのはとても難しい。また、ホームレスの中には高齢の人も多い。健康上、問題を抱えている人も多い。

そもそもケガや病気が原因でホームレスになった人も少なくなく、前職に建築関係や土木関係の仕事をしていた人がいる。

「重いものを運ぶ仕事で腰を痛めてしまった」

「鳶職として作業中、高所から落下して足をケガしてしまった」

というような話をよく聞く。

ケガや病気が原因で日雇い労働に行けなくなり、そのまま収入がなくなってしまった。治療費で貯金も消えてしまい、結果的に野宿生活を余儀なくされてしまうというケースだ。

夏場に荒川の河川敷を歩いていると、上半身裸になって体を洗っている男性がいた。男性の上半身にはガッツリ入れ墨があった。またお腹には縦に15センチほどの傷があった。

話を聞くと、まだ野宿生活を始めて間がないという。

ホームレスになる前は、個人経営のリサイクル店を運営していたそうだ。捨ててあるテレビ、洗濯機、冷蔵庫などを拾ってきて直して販売していた。商売が順調なときは、テレビや雑誌の取材が来たこともあったという。

「3年前にがんになって入院したんだけど、この間また再発したんだ。ある日すごい気持ち悪くなって、ウンコも真っ黒になっちゃって、慌てて病院に行ってカメラを飲んだら胃がんだった。そのまますぐに手術をして胃をとっちゃった」

腹の傷はそのときのものだという。

手術や入院にお金もかかり、その間仕事もできなかったので、結局お店を手放すことになってしまった。

現在はホームレスをしながら単発の清掃の仕事などで収入を得ている。ただ、食べるのが精一杯で術後の通院はできていないという。

がんは治ったが併発している病があるらしく、苦しい日々だと語っていた。

ホームレスの中には、厳しい野宿生活を続けるうちに病気になってしまう人もいる。

■病気になっても病院に行けない

ホームレスの平均年齢は高い。平均60歳以上であり、70代、80代も珍しくない。高齢者にとって、夏の暑さ、冬の寒さは体にこたえる。いつでもきちんと食事がとれるわけではないので、栄養失調にもなりがちだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング