「数字の見積もりが速い人」の秘密の計算術 知っておくと役立つ「フェルミ推定」の基本

東洋経済オンライン / 2019年5月26日 7時50分

ビジネスにおいて、瞬時の数学的判断が要求される場面に役立つ「フェルミ推定」を解説します(写真:Ca-ssis/iStock)

上司に自信たっぷりの提案をしたところ「で、それでいくら儲かるの?」と突っ込まれて、頭が真っ白。そんなときに、あなたは瞬時に答えられますか? 

こんなとき有効なのが、短時間におおよその数字を見積もることができる「フェルミ推定」です。この「フェルミ推定」は、外資系コンサルだけでなく、近年では国内の大手企業の入社試験でも出題されることもある、ビジネスで大いに役立つスキル。事業開発、マーケティングなどを手掛ける元リクルートの中尾隆一郎氏に、数字が苦手な人でもわかるフェルミ推定の考え方や、ビジネスでの役立て方を聞きました。

■フェルミ推定の考え方とは

フェルミ推定とは、「琵琶湖の水は何滴か?」「ウインブルドン・センターコートの芝生の本数は何本か?」「富士山をトラックで移動させるためには2トントラックが何台必要か」「日本の電信柱の本数は何本か」といった一見、荒唐無稽な設問を短時間で回答する方法論です。その実践者であるエンリコ・フェルミの名前が由来となっています。最近では入社面接で質問されることもあり、すでにご存知の方も多いかもしれません。

実際にフェルミ推定のケーススタディーの演習をしてみましょう。

お題は「日本全国の電柱の数を考える」。計算に使っていいのは四則演算(+、-、×、÷)だけ。当然ですが、インターネットなどで調べるのはNGです。

まず、どのように考え始めるべきでしょうか?

実は、フェルミ推定には「答え」がありません。単に回答を見つけるのではなく、複数の回答シナリオから最適な方法を見つけることがポイントで、推定する方法はたくさんあるのです。どれが妥当解かというよりも、より多くのシナリオを考え、その中から精度が高く、簡単に計算できるものを短時間で見つける、いわばゲームです。

例えば、電柱は家庭や企業に電気を送るものであるので、企業数と家庭数から想定できるのではないかと仮定する。電柱はたいてい道路にあるのではないかと仮定して、道路の長さから考える。または、人口と相関性があると仮定するなど、さまざまな方向から考えることができます。

一例として、「一定の面積あたり、何本の電柱があるのか」という視点から考える方法を解説しましょう。

■段階を踏んで計算していく

<ステップ1>

日本の面積を推定します。もちろん日本の面積を約38万km2と知っていれば簡単です。知らなければ、日本の面積を推定します。日本の形を長方形だと仮定しましょう。少し乱暴に感じるかもしれませんが、ざっくり把握したいので、計算しやすい形がいいわけです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング