吉田カバンと土屋鞄はこんなにも進化している 軽量化や防水が進み、「リュック」も充実

東洋経済オンライン / 2019年5月31日 18時0分

5月に実施された吉田カバンの「新商品展示会」(写真:吉田カバン提供)

仕事で使うカバンを、どのようなこだわりで選んでいるだろうか。

5月中旬、都内で開催された吉田カバン(※)の「新商品展示会」を視察した。今回は2019年秋冬新商品の紹介だった。

(※)正式社名は株式会社吉田。名称は「吉」の「士」の部分が「土」

毎年、同社は春と秋に新商品展示会を東京と大阪で開催する。各新商品の特徴を、担当者が取引先(小売り店のバイヤーが多い)に説明して回るスタイルは、ずっと変わらない。筆者はほぼ毎回訪れ“定点観測”してきた。その中で見えてきた傾向もある。

そこで同社を中心に、競合の土屋鞄製造所のこだわりも紹介し、カバンに対する消費者意識とメーカー訴求を考えたい。

■カバンはあくまでも「物を運ぶ道具」

まずは吉田カバンの横顔を簡単に紹介しよう。創業は1935(昭和10)年、来年で85年となる老舗だ。業績も好調で売上高は約182億円(2018年5月現在)。2011年5月期は約130億円だったので7年で50億円も伸びた。

「PORTER(ポーター)」と「LUGGAGE LABEL(ラゲッジ レーベル)」という2大ブランドがあり、これらブランドの中に200以上のシリーズ数がある。すべてのカバンを国内の職人が手作りで行う「日本製」にこだわり、学生から社会人まで愛用者は幅広い。筆者の仕事仲間でも、20代の頃からポーターを何度も買い替える人がいる。

もともと同社は自社工場を持たず、社員デザイナーが企画を立て、外部の職人と1対1で向き合い製作するのが特徴だ。その製作哲学をこう話す。

「当社の開発理念は、腕利きのカバン職人だった創業者・吉田吉蔵の考えである『カバンは物を運ぶ道具でなければならない』が基本にあります。そのため、デザインだけの機能性のないポケットなどはつけません。企画は自由に発想しますが『物を運ぶ道具』という理念は徹底しています」(広報部兼プロダクトマーケティング部マネージャーの阿部貴弘氏)

愛用者からは「収納ポケットが多く、小物を入れやすい」(50代の男性会社員)という声も聞いた。後述するが、カバンに入れる荷物は増えているのだ。

近年の同社展示会ではリュック型も目立つ。都市部でリュックを背負い電車通勤する人が増えたのもあるだろう。事情はそれぞれだが、「両手が自由になる」「最近はリュックでないと荷物が入らない」という声は聞く。今回、目を引いたのは2シリーズあった。

1つは「ポーター フォーダブル」(今秋発売)というシリーズ。普段はサコッシュ(フランス語でカバンや袋)の背胴側に収納されているバッグが、広げるとデイパックやトートバッグやショルダーバッグ(商品は3タイプある)に使えるものだ。

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