日本の車載電池メーカーは世界市場で勝てるか 韓国勢の投資額が突出、カギはコスト低減

東洋経済オンライン / 2019年6月4日 7時40分

エコカー開発に欠かせないリチウムイオン電池。カギを握るのは投資力とコスト低減です(写真:Patmal/iStoch)

国内、海外の自動車メーカーがこぞって次世代車開発に進む中で欠かせないのが動力源となる車載電池だ。とくにリチウムイオン電池(LIB)は身近なところではノートPCやスマホやタブレット、デジタルカメラ、そして電動工具などのモバイル機器に搭載されており、その用途は限りなく広い。

■世界的に存在感が大きくない日本の電池メーカー

昨今の世界の車載電池市場をみると、日本勢ではパナソニック以外の存在感は大きいとは言えない。前回の原稿(日本の車載電池が「排ガス規制で受ける恩恵」)でも触れたが、GSユアサコーポレーション、ホンダとの合弁で事業展開しているブルーエナジー、三菱自動車との合弁のリチウムエナジージャパン、東芝、ビークルエナジージャパンなどは事業拡大を模索中だ。

そこで求められるのがLIBの飛躍的な性能向上である。歴史を振り返ると、日本企業はその研究開発の先陣を走っていた。1980年代初頭から旭化成を中心に研究開発が進められてきた。

実用化の道筋がついた小型LIBの世界初量産は、ソニーによって1991年に実現された。以降、コンパクト性、長時間使用に耐えうるエネルギーデバイスとして、世界中のどこでも重用されている。蓄電デバイスの革新的な成果として毎年、開発者らがノーベル化学賞の候補にノミネートされている。

車載用電池の開発はかなりハードルが高い。まず環境負荷に耐えられる設計が必須だ。電動工具は別にして、一般のモバイル製品は屋内利用が主体となり、環境温度も人々が生活しやすい環境下での使用が基本となる。

これに対して、車載用電池の場合には-30℃から50℃近辺の環境下にさらされることから電池に対する環境負荷はとてつもなく大きくなる。

とくにLIBの場合は、低温になればなるほど電池内部にある電解液の電気伝導度が低下することで出力低下を招いてしまう。一方、高温になればなるほど、電解液の分解や劣化が促進され、寿命低下が顕著になる。

車載用電池はLIBに限らず長期使用が求められる。2010年12月に販売を開始した日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」は、販売累計台数でこれまで42万台を超え、世界トップを走っている。その「リーフ」でも発売当初は5年保証だったが、ようやく、8年、16万kmの保証を唱えるところまで進化を遂げてきた。

その寿命を延ばすための技術開発は、正極材料、負極材料、電解液、セパレーターのいわゆる「四大部材」の研究開発のみならず、正負極活物質の粒子をつなぎ合わせるバインダー、電解液の分解を制御する添加剤など、いくつものジャンルにまたがっており実用化までかなりの時間を要する。

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