フジテレビ、社長交代で「真の復活」果たせるか 制作大改革で劇的回復、次なるカギは視聴率

東洋経済オンライン / 2019年6月13日 7時10分

それでも安心はできない。そもそもテレビ広告市場は年々右肩下がりだ。電通の統計「日本の広告費」によれば、2018年の地上波テレビの広告費は1兆7848億円と前年比1.8%減となった。

これを猛追するのがインターネット広告で、同16.5%増の1兆7589億円だった。今年にはネットが地上波テレビを逆転するとみられている。限られたパイの奪い合いにも限界があるのだ。「冬季五輪やサッカーW杯があった中でのこの状況は、テレビ広告のネットシフトを認めざるをえない」(電通関係者)。

■ネット配信にどう対応するのか

ネットの波はコンテンツにも及ぶ。フジメディアHDの金光新社長は会見で、「デジタルデバイスの多様化に伴う行動の変化にいかに対応すべきかを考えなければならない」と語ったうえで、「(NHKが計画するネット)同時配信を含めて、無料であれ有料であれ、どう取り組むかは重要な経営課題と認識している。この1年間でプロジェクトを組んで検討してきた。まだ発表の段階ではないが、何らかの形で組織に反映して具体的に進めていく」と説明した。

フジテレビはオンデマンドの有料配信サービス「FOD」を展開する。黒字を維持しているものの、登録者数は約80万人にとどまる。テレビ朝日とサイバーエージェントの合弁による無料リニア配信の「AbemaTV」は、この6月に週間アクティブユーザー数で1000万人を、日テレ傘下の有料配信サービス「Hulu(フールー)」が今年3月末に会員数で200万人を突破したことを考えれば、規模は小さい。また、TBSとテレビ東京、WOWOWも昨年、有料配信サービス「Paravi(パラビ)」を開始するなど、視聴時間の奪い合いは熾烈だ。

フジテレビがゴールデン帯、プライム帯(19~23時)、全日帯(6~24時)のすべてで民放トップとなる「視聴率三冠王」を獲得したのは、2010年が最後。メディアを取り巻く環境が激変する中、かつての勢いを取り戻せるか。新体制の肩にのしかかった荷は重い。

中川 雅博:東洋経済 記者

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