「孤独死」保険が登場せざるをえない深刻な背景 少額短期保険会社を中心に取り扱われている

東洋経済オンライン / 2019年6月14日 7時20分

貸主と借り主双方にとって「孤独死」はリスクが大きいもの。「孤独死」によるリスクを補償する「孤独死保険」とはどんなものなのか(写真:Ushico/PIXTA)

人生100年時代となると、最後は“1人”ということはありがちだ。そんな中で関心が高まっているのは「孤独死」のリスク。目立って深刻なのは、賃貸暮らしのケースだ。家主側にとっても、入居者にとっても、無視できない問題になっている。

「孤独死」は、腐臭に気づいた隣室からの通報で発見されるケースも少なくない。人体は“生もの”なため、流れ出て床に染み込んだ体液や湧いた虫の除去・消臭・除菌などの部屋のクリーニング代には、数十万円もの費用が避けられない。加えて、遺品整理・処分にも数万~数十万円単位でお金が要る。

クリーニングなどをしっかりと行っても、その部屋の次の借り手が見つからなかったり、隣室も含めて大幅に家賃を引き下げたりせざるをえないこともある。アパート経営者によっては、死活問題になる。高齢者のシングルが家を借りにくい現状があるのは、大家側がこうしたリスクを回避したい心情が背景の1つにある。

■ミニ保険とは?

家を借りる側としても、自分が「孤独死」すると、滞納家賃のほか、前述の部屋のクリーニング代や遺品整理費用、以後の家賃収入の減少額について、数百万円単位の損害賠償請求が遺族に行くことは不本意だろう。

そこで気になるのが、「孤独死」によるリスクを補償する「孤独死保険」の存在だ。通称「ミニ保険」と呼ばれる少額短期保険会社を中心に、取り扱いが急増している。そこで、今回はミニ保険の概要と、「孤独死保険」の現状を取り上げる。

保険といえば「生命保険会社」や「損害保険会社」をイメージする人も多いのではないだろうか。実は、現在、金融庁管轄の保険会社にはもう1つ、「少額短期保険会社」がある。

どんな業界かをざっくり言えば、もともと自然発生していた「無認可共済」を、最終的に金融庁が管轄することで消費者保護を図ることになった際に新設されたのが始まりで、保険業を新たに始めたい場合のハードルは保険会社への参入より低めになっている。

例えば、保険会社を作る際の資本金は10億円が必要となるが、少額短期保険会社なら1000万円で可能となる。その代わり、名前にあるとおり、保険金額は死亡保障300万円、医療保障80万円、損害保険分野1000万円までと「少額」で、保険期間は生命保険分野1年、損害保険分野2年までと「短期」の契約にする上限がある。“ミニ保険”と呼ばれるゆえんだ。

また、保険会社が万一破綻した場合に、生命保険会社や損害保険会社には契約者保護機構による救済があるが、少額短期保険会社にはなく、少額で短期の契約に限定することによって保険会社の経営を健全に保つ形で金融庁が監督している。保険料控除が受けられない点が保険会社商品とは異なる。

■「孤独死保険」の取り扱いが増えている理由

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