ボルボが「交通死亡事故ゼロ」にこだわる理由 2021年モデルからは180km/hまでの速度制限

東洋経済オンライン / 2019年6月16日 8時0分

最新のボルボ車が標準装備している先進安全・運転支援機能の「IntelliSafe (インテリセーフ)」は、衝突回避・被害軽減ブレーキシステム付きシティセーフティをはじめ、ステアリングアシスト付きBLIS(後車衝突回避支援機能付きブラインドスポット・インフォメーション・システム)、衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付きCTA (クロス・トラフィック・アラート)、被追突時警告機能(静止時ブレーキ維持機能付き)などのさまざまな機能が統合されたものである。

これによって、いわば車体の周囲360°の監視と、衝突回避・被害低減を希求しているのだ。それでも、残念ながら2020年まであと1年となった現在の状況を見るに、「Vision 2020」の目標達成は極めて難しそうだと言わなければならない。

例えば日本の事例を見れば、交通事故件数は減っているし、それによる負傷者数、死者数も減少傾向にある。いわゆる先進国はどこもほぼ同様の状況にあるが、依然として事故は完全にゼロではない。新しいボルボ車に搭乗中の事故による死亡者、重傷者も、やはりゼロまでは到達していないのが現状である。

しかしボルボは、目標を変えることはしない。ボルボにとって安全は永遠の課題であり、今後もその哲学をブレさせることなく、それを追求していくことになる。

その一環として立ち上げられたのが「E.V.A.プロジェクト」である。これは、ボルボが独自の事故調査や、その他の研究、調査によって蓄積してきた安全に関する知識が集約されたデジタルライブラリーを初公開し、誰でも容易に利用できるようにするというもの。この「誰でも」にはほかの自動車メーカー、サプライヤーなども含まれ、むしろ「利用を推奨したい」という。

3点式シートベルトの特許開放から60周年という節目を祝う意味も含まれたこのプロジェクトには、実はボルボの有するそのときと同じような危機感も込められている。それは自動車の安全性の開発に関する知見の差は、依然として存在するということだ。

実はE.V.A.とは“Equal Vehicle for All”の略である。ボルボはこの安全に関する知見を共有することで、自動車全体の安全性の底上げにつなげようと考えている。3点式シートベルトがそうだったように、結局はそれが自動車業界全体の発展につながり、自社の利益としても返ってくることを、彼らはよく理解しているのだ。

■180km/hまでの速度制限

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング