TOB不成立の廣済堂、株主総会の「同床異夢」 経営方針めぐり、大株主3者の意見対立も

東洋経済オンライン / 2019年6月16日 7時10分

廣済堂が配布した定時株主総会の招集通知。異例の人事の背景は?(編集部撮影)

株式公開買い付け(TOB)提案を受けていた廣済堂が6月27日開催の定時株主総会の招集通知を開示した。

今回の総会の目玉は取締役人事だろう。取締役7人、監査役3人のうち、新任は取締役4人、監査役2人。ともに過半数が入れ替わる。

今年1月18日にベインキャピタルが完全子会社化を目的に開始したTOBは、筆頭株主をはじめとする複数の株主の反対に遭い、不成立に終わっている。総会の取締役および監査役選任議案は、反対に回った株主の意向をくんだ人事であり、将来の展望を共有しているとは思えない組み合わせだ。

■TOB失敗は当然の結果だった

ベインのTOBに反対したのは、廣済堂の発行済み株式の12.39%を保有する澤田ホールディングス、11.70%保有のレノ(南青山不動産との共同保有分含む)、9.68%保有の櫻井美江氏の計3者。

澤田ホールディングスはエイチ・エス証券の持株会社でジャスダック上場、レノは村上世彰氏率いるアクティビストファンド。櫻井氏は廣済堂の創業者である故・櫻井文雄氏の妻である。

【2019年6月16日19時05分注記】澤田ホールディングスに関する初出時の記述を上記のように修正いたします。

3者の保有割合は合計で33.77%に達する。レノはTOB公表後の参戦だったとはいえ、残る2者合計でも22%。その2者から応募契約を取り付けないままTOBを開始したのだから、失敗は当然の結果だったと言える。

会社側はベインのTOBに賛成し、現社長の土井常由氏も非公開化後に一部出資する計画だった。一般的に言って、会社側が賛同意見を付したTOBは成功する確率が高いが、今回はTOB開始直後から次々とケチがついた。

まず、公開買付価格は610円と、TOB開始前3カ月平均株価に対するプレミアムは約4割。決して低い水準ではなかったが、TOB開始3営業日目には株価がTOB価格を突破してしまった。

株価がTOB価格を上回るということは、市場はTOB価格が安すぎるというメッセージを発していると言っていい。火葬場を経営する廣済堂の子会社・東京博善の企業価値を加味すれば、ベインが提示するTOB価格は安すぎるという指摘は、TOB開始直後から市場関係者の間でささやかれていた。

■村上世彰氏も参戦し、TOB不成立に

2月6日には村上世彰氏率いるレノが、廣済堂株式を5.83%保有していることを記載した大量保有報告書を提出して参戦。TOB開始1カ月後の2月18日には、社外監査役の中辻一夫氏と櫻井美江氏がTOBに反対を表明した。

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