NHK「いだてん」の視聴率が極めて冴えない理由 大河ドラマ「歴代ワースト記録」の意味

東洋経済オンライン / 2019年6月16日 7時40分

NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」主演発表会見で記念撮影をする左から阿部サダヲ、中村勘九郎、脚本の宮藤官九郎氏

大変だ。「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(NHK 日曜夜8時〜)が大河ドラマで新記録を打ち立ててしまった。

6月9日(日)放送の第22回「ヴィーナスの誕生」は視聴率が6.7%で、1963年から始まってこれまで58作放送されてきた大河ドラマで記録に残っているものとしては、2012年11月18日(日)放送の『平清盛』第45回の7.3%というワースト記録をさらに下回る最低水準となった。

「いだてん」は、日本で初めてオリンピックに参加したマラソン選手・金栗四三(中村勘九郎)と、日本へのオリンピック招致に尽力した田畑政治(阿部サダヲ)の2人を主人公にしたドラマ。

■「いだてん」の存在意義とは

1年間全47回のドラマのなかで前半(第24回まで)は、金栗と最初に日本人がオリンピックに参加した1912年のストックホルムオリンピック、後半(第25回から)は、田畑と日本でオリンピックが開催される1964年の東京オリンピックを描く。

現在、前半のクライマックスを迎えつつあり、第22回は、日本初の女性オリンピックメダリスト・人見絹枝(菅原小春)が颯爽と登場し、黒島結菜が演じる金栗の教え子である女子学生・村田富江が率いる女子たちが立ち上がる清々しいエピソードで、SNSでは「神回!」「22回中最高!」という絶賛の声が上がった。にもかかわらず、視聴率という数字が伴わない。

いったい何が「いだてん」を孤高のドラマにしているのか。なぜ視聴率が低いのか、そしてこの特異なドラマの存在意義とは――。

毎日利用する通勤電車で、当たり前に「大河ドラマ」駅に着くつもりが「朝ドラ」駅に着いて、そこには知らない人がいて、いつものような流れで仕事が進まず、すっかり困惑してしまったというような状況がいまの「いだてん」である。

主として低視聴率の原因とされる点は3点。

1. 構成が凝りすぎている
2. 有名な偉人によるよく知られた歴史譚でない
3. 朝ドラみたい

まず、構成。落語を使った構成が凝っている。金栗と田畑の生きた2つの時代を結びつけるために、明治から昭和まで生きた落語家・古今亭志ん生(若き頃、美濃部孝蔵時代は森山未來、志ん生になってからはビートたけし)が創作落語『東京オリムピック噺』を語るという趣向になっている。

日本人がいかにオリンピックと関わってきたか、そこに存在した人々の奮闘を描いた創作落語が2つの時代を一本刺し貫くという凝った趣向だが、これが意外と関門になった。

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