Appleみたいな商品を作っても売れない真因 流行の「デザイン思考」の落とし穴

東洋経済オンライン / 2019年6月23日 7時40分

ビジネスの現場でブームとなっている「デザイン思考」。導入して成功させるポイントと落とし穴とは?(写真:ahirun/PIXTA)

マッキンゼーなどでも取り入れられ、意識の高いビジネスパーソンに大流行中のデザイン思考。だが「デザインっていかに商品をかっこよく作るかだけでしょ」と考えていては大間違いだ。

マーケティング戦略コンサルタントであり、『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』の著者でもある永井孝尚氏によると、「デザイン思考の本質は、現場のビジネスの問題解決方法だ。企業で導入して成功させるには、勘所がある」という。そこでデザイン思考のポイント、落とし穴を語ってもらった。(本記事は、同書の一部を再編集したものです)

■誤解されているデザイン思考

ビジネスの現場で「デザイン思考」のブームが始まっている。

私も大手企業のマネジメントと話をしていると、「当社もデザイン思考に取り組み始めています」という声をこの数カ月間でよく聞くようになった。

株式会社ビビビットが3347社に調査したところ、「デザイン思考」の認知率は49.6%。そのうち「デザイン思考」を取り入れ始めている企業は15%だという。

「デザインって、要はアップルのようなカッコイイ商品を作るためのものでしょ? 自分には関係ない」と誤解されがちだが、そうではない。デザイン手法をビジネスの現場でも使える問題解決方法に発展させたのが「デザイン思考」なのだ。

そもそも社員の発想力やアイデアは、企業の競争力の源泉だが、「すごい発想力やアイデアなんて、天才でなければムリだ」と思うかもしれない。しかし「誰でもクリエイティブだ」と言うのが、『発想する会社!』の著者であるトム・ケリーだ。

いまや世界を席巻するグーグルやアップルをはじめ、世界で成長する多くの企業は、本書から大きな影響を受けて、デザイン思考に基づいた組織づくりをしている。

トム・ケリーはデザインコンサルティング会社IDEO(アイデオ)のエグゼクティブだ。IDEOは多くの業界で新商品開発プロジェクトを支援してきた。アップルの最初のマウスも、ジョブズの依頼でIDEOが関わった。

本書はIDEOが持つ約4000件の経験を基に2001年に出版され、デザイン思考の源流となった。ここではトム・ケリーがその4年後に出版した『イノベーションの達人!』(共著)の内容も含め紹介しよう。

IDEOの方法論を一言でまとめると、

①人がどんな課題で困っていて、
②実際にどのように使うのかを観察し、
③アイデアを重視して解決策を生み出し、さらに
④解決策が本当に役立つかを確認する。

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