アップル「スマホ値引き規制」に抱く強い危機感 今後iPhoneは「定額制」になるかもしれない

東洋経済オンライン / 2019年6月25日 8時0分

総務省の「端末の値引き幅2万円」は、iPhone排除の法改正なのか(筆者撮影)

総務省は6月18日、携帯電話料金に関する有識者会議を開き、現在各社が9500円としている中途解約の違約金の上限を1000円とすること、通信契約とセットの端末値引きを2万円までとするなどの案をまとめた。秋に電気通信事業法が改正され、端末割引の禁止や、期間拘束の是正が適用されることになる。

「日本の携帯電話料金は高すぎる」。そうした意見は日本の政治サイドから聞こえてきた。今年は楽天が新規参入するが、現在大手3社によって全国の携帯電話サービスが展開されてきた日本の通信業界においては、通信料金や端末がおおむね横並びで競争が働いていない、との懸念が消費者だけでなく、政治家からも問題提起されるようになった。

■改めて料金を見直す必要性も

状況を打開しようと、通信サービスと端末販売を分離するプランへの移行を促し、NTTドコモやKDDIは6月から新料金プランを提供しはじめ、「最大4割の値下げ」という官房長官の発言にかなう施策を打ち出したばかりだ。

しかし対策が不十分とにらむ総務省は、利用者が携帯電話会社をより乗り換えやすくするため、2年の定期契約時の割引率削減や、契約解除料の負担を軽減する案を示した。

2年以上の通信契約における割引幅を月額170円に抑えること、現在9500円の契約解除料の上限を1000円とする案をまとめた。これによって、すでに動きを見せていたNTTドコモやKDDIは、改めて料金プランを見直す必要がありそうだ。長期契約の値引き幅が170円を大幅に上回っていることもあるが、ビジネス全体を見渡して、そろばんをはじき直さなければならなくなる。

端末の割引の原資として、高止まりする通信料金が活用されているとにらむ総務省は、端末値引きを制限することで、逆に通信料金値下げの原資を作り出せるようにしよう、という構造転換の狙いが透ける。

問題は、それで消費者がどれだけ、今契約しているキャリアを解約して乗り換えるかだ。

これまでの顧客囲い込みを強化してきたルールの中で、2018年度、大手3社のスマートフォン解約率は1%に満たず、最大手のドコモは最も低い解約率である0.57%を示している。その対策として、端末販売との分離と、契約解除の費用を1000円以下にする案が当てられたと見てよいだろう。

すでに格安SIMとして知られるMVNO(仮想移動体通信事業者)が2012年以降乱立している。現在の日本の携帯電話契約数は2019年3月末時点で1億7615万7000件。そのうちMVNOの多くが含まれる独自サービスを提供するSIMは1312万2000件で、契約数全体の7.4%と、1年前に比べて1ポイント増加した(MM総研調べ)。

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