マツダは、なぜ「似通った車」を造り続けるのか MAZDA3やCX-30など、外観が似ている理由とは

東洋経済オンライン / 2019年6月30日 7時50分

5月下旬に日本で発売されたMAZDA3(撮影:尾形文繁)

今、クルマ好きの間で高い人気を得ているメーカーがマツダだろう。最近は新型車の投入も活発で、2019年5月下旬にはアクセラの後継車種であるMAZDA3(マツダ3)を発売。2019年の夏から秋には、SUVのCX-30も登場する予定だ。

これらの新型車を含めて、カッコイイ外観と、走る楽しさを重視したクルマ造りが今のマツダ車の特徴になる。居住性や積載性といった実用的な機能より、クルマが持つ趣味性を重視している。

その一方で、今のマツダ車には「外観がどの車種でも同じに見える」という指摘もある。メーカーのWebサイトの「カーラインナップ/乗用車」の項目には、真横から撮影したマツダの10車種が掲載されているが、たしかに似通ったクルマが並ぶ。全車がソウルレッドクリスタルメタリックと呼ばれる赤い外装色だから、なおさら似てしまう。

車種を豊富に用意するのに、どれも同じように見えるのは損ではないのか。いろいろな見せ方をしたほうが、多くの顧客を引き寄せられるだろう。

■明確なブランド表現

マツダが複数の車種で同じようなデザインと色彩を採用した理由は、マツダ車の特徴を際立たせるためだ。メルセデスベンツやBMWなどの欧州車も、フロントマスクに共通性を持たせて明確なブランド表現を行う。マツダ車にも同様の狙いがある。

マツダ車の外観の共通化は、今に始まったことではない。1990年代のアンフィニRX-7、センティアなども「ときめきのデザイン」として陰影の美しいボディスタイルを採用した。ただし、当時は人気をいま一つ高められなかった。

そして景気の悪化もあり、マツダ車の売れ行きは1990年代に急落する。1990年のマツダ車の世界生産台数は142万台だったが、1995年には約半数の77万台に減った。決算も1994年3月期には489億円の最終赤字に陥り、フォードの出資比率を高めて生き残りを図った。

その後、マツダ車の世界生産台数は2001年に96万台、2002年には100万台と徐々に持ち直し、2010年には131万台まで回復した。

この業績回復の過程で、2005年頃に立案されたマツダの新たな戦略が「魂動デザイン」と「スカイアクティブ技術」であった。魂動デザインはマツダ車の外観表現で、疾走する動物からイメージを膨らませている。前輪駆動車でもフロントウインドーの位置を後方に寄せてボンネットを長く見せ、サイドウインドーの下端を後ろ側へ持ち上げることにより、躍動感を演出する。

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