若い世代の4割は「年金繰り下げ増額」を選ぶ 「老後2000万円不足問題」でアンケート実施

東洋経済オンライン / 2019年7月8日 7時0分

制度の周知が徹底すれば、選択率はさらに拡大するのは確実だ。今回のアンケートでは、繰り上げ・繰り下げ受給制度を「よく知っている」と答えたのは12.2%。「ある程度知っている」(42.3%)を加えても、国民の約半数しか繰り上げ・繰り下げ受給制度を知らないことがわかった。そこでアンケートで「よく知っている」と答えた人以外に、年金増減額など繰り上げ・繰り下げ受給制度の詳細を説明し、その後改めて希望する受給開始年齢を聞いてみた。

すると、繰り下げを選択する人が急増した。制度認知前の繰り下げ選択率11.6%に対して、認知後のそれは27.2%に拡大。一方で、繰り上げ選択率は16.4%から15.8%へとわずかに減少した。

■20代男性や30代男女の繰り上げ選択は4割前後

繰り下げ選択率の急増について、年代、性別にブレークダウンして見てみると、特に20代の男性、30代男女、40代の女性では4割前後まで繰り下げ選択率が拡大している。どの年代性別も20%以上に繰り下げ選択率は増えたが、唯一、10%台への増加にとどまったのが60~64歳の男女だ。この年代では、働き方やライフスタイルがすでに固まってしまい、繰り下げを柔軟に選択することが難しくなっているようだ。

興味深いのは、繰り上げ・繰り下げ受給制度を「よく知っている」と答えた人の繰り下げ選択率が12.0%であること。本アンケートで制度を認知した人のほうが圧倒的に繰り下げ選択率は高くなった。

これで言えることは、制度の周知が徹底すれば、将来繰り下げを選択する人は、現在の30倍弱に拡大するということだ。若い世代に関していえば、約4割の人が繰り下げ増額を選択し、時間の経過とともに高齢期のライフスタイルの見直しが進めば、繰り下げ選択率はさらに高まる可能性がある。

アンケートでは、現役世代でも繰り上げ受給を希望する人が一定数存在することもわかった(50代以下の男女で10%程度の人が選択)。その際、60歳の受給開始を希望する人が多い。ほかの質問項目への回答も総合して考えると、「将来年金がもらえなくなる前にもらっておく」という年金への不信感が強い層ではないかと推察される。

希望受給開始年齢の次に聞いたのは、「将来繰り下げを選択するとき、何が障害となりそうか」(複数回答)だ。最も多い答えは「職が確保できるか」で48.3%、2番目は「健康に自信がない」の36.4%だった。繰り下げ中に収入を確保する際には、企業年金や退職金を使いながらフルタイムでない働き方もありうる。それでも「納得できる賃金の職が確保できるか」と答えた人は、30.6%と多かった(3番目に多い答え)。

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