母娘を6年間引き裂いた衝撃の「誘拐犯」の正体 火災で「死亡した」はずの娘をさらったのは…

東洋経済オンライン / 2019年7月12日 8時30分

母のルースが娘のデリマールを抱きしめる。笑顔の2ショット(写真:フジテレビ提供)

2019年5月、その女性は、私たちの前に現れた。

「母が諦めていたら、きょう、あなた方とこうしてお話しする機会はなかったでしょう」

女性の名は、デリマール・ヴェラ。

笑顔で語る21歳の彼女は、かつて、生後わずか10日にして「火災により焼死した」とされた。

「父は死亡証明書にも署名したの。私は死んだことになっていたのよ」

デリマールの生存が世の中に知られるまで、実に6年3カ月……彼女の運命を翻弄したのは、前代未聞の誘拐事件だった。

「目撃!超逆転スクープ4 ~娘を救え!命をかけた母の闘い 愛と涙の生還SP~」(フジテレビで7月13日(土)よる9時~放送)では、アメリカで起きた母娘の奇跡の再会ミステリーに迫った。

1997年12月15日、アメリカ・フィラデルフィア郊外……。クリスマスを目前に、ルース一家は幸せに包まれていた。10日前、2人の兄に続いて生まれたのは、母・ルースが待ち望んだ女の子。笑うとえくぼができる赤ちゃんは、デリマールと名付けられた。その日も、生まれたばかりの赤ちゃんを一目見ようと、夫・ペドロの母や、いとこのキャロリンがルースの家を訪れていた。

「私も同じ日に女の子を産んだばかりなの」

この日、ルースとは初対面のキャロリンは、偶然にもルースと同じ日に女の子を出産したと語っていた。

■炎の中に消えた生後10日の娘

午後7時頃、爆発音とともに2階から火の手が上がった。慌てて2階に駆け上がるルース。デリマールが寝ていた寝室は、すでに炎に包まれていた。デリマールを助けようとするも、激しい炎に阻まれ、なす術がなかった。

「まだあの子が中にいるの! お願い助けて」

集まった多くの人々が、泣き叫ぶ母の姿を目撃していた。デリマールがいた2階の寝室は全焼。ベビーベッドは跡形もなく燃え尽き、消防は「赤ちゃんの遺体は燃え尽きた」と断定。警察も「死亡」と断定した。

このとき、地元テレビ局のカメラは、消防士が大事そうに運ぶ、小さな黄色い包みを捉えていた。中には、何かが燃え尽きた灰の塊……誰もがデリマールの“遺体”だと理解した。翌日の地元紙には、こんな記事が掲載される。

「生後10日の赤ちゃんが火災で死亡」

ルースは悲劇の母親となった。

「デリマールは生きているわ。あの子は誰かに誘拐されたのよ」

皆が悲しみにくれ、葬式の準備を始める中、意外な声を上げたのは、母・ルースだった。ルースには「2つの疑問」があった。

1つ目は、炎の中で見たベビーベッドにデリマールがいなかったこと。生後10日の娘が自力でベッドを出るはずがない……2つ目は、閉めたはずの2階の窓が開いていたこと。

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