自己肯定感「低い子供」が減らない日本の危うさ 「学力低下」や「薬物依存」に陥るリスクが高い

東洋経済オンライン / 2019年7月23日 8時20分

日本では、ほかの国と比較すると「自己肯定感」がとても低いという。とくに10歳頃から急激に低くなるようだが、その問題や原因とは?(写真:YsPhoto/PIXTA)

『「いい親」をやめるとラクになる』などを著書に持つ医学博士・古荘 純一氏によれば、日本では子どもが10歳頃から急激に「自己肯定感」が低下してしまう傾向があり、それは世界的にも珍しいことのようである。なぜ日本の子どもたちは自己肯定感を保てないのか? 自己肯定感の低下がもたらす諸問題と合わせて、同氏が解説する。

最近、「自己肯定感」という言葉をよく聞くようになりました。育児に困難を抱える親は、「自己肯定感」の低さが深く関わっているのではないかと私は考えています。つまり、自分に対して否定的な感情が強く、肯定的な感情が持てないということです。

しかし、その言葉の使い方も曖昧ですので、最初に、これから述べる「自己肯定感」という言葉の捉え方についてお話ししましょう。

■「自己肯定感」と「自尊心」の違い

自分のことを自分で捉えるという概念には、心理学的には「セルフ・エスティーム」という言葉を当てるのが一般的です。その概念は「自己に対する肯定的、または否定的な態度」です。

すなわち、セルフ・エスティームという概念は、「自信を持ち、ゆったり構えること」や「自分に満足する」という、いわゆるポジティブな思考を指すだけでなく、ネガティブな側面も包括した概念に近いと思われます。セルフ・エスティームという単語は、プラスの価値とマイナスの価値を中立的かつ客観的に表す単語、ということもできます。

セルフ・エスティームは、日本語では「自尊心」「自負心」「自己評価」「自己尊重」「自己価値」「自己肯定感」など、さまざまな用語があります。日本語の「自尊」にも中立的な意味合いがあり、一般に使用するときは自尊感情より「自尊心」という言葉が多く用いられるようです。

一方、「自己肯定感」という表現は、自分自身を肯定するということに重点が置かれています。広義には自尊感情とはほぼ同義で、否定的な側面をそのまま肯定的に受け入れるという意味で用いられていることもあります。

本来、セルフ・エスティームは、高すぎても低すぎてもよくない、というイメージがあります。よい面、悪い面を表す言葉として捉えているからです。

しかし、日本の場合には高すぎることは例外であり、自尊感情については「高めよう」という議論が一般的です。また、「自尊感情」という日本語は、そのほかの訳語と異なり、少し頑固な人格像を意味する言葉としても捉えられ、必ずしも日本語として受け入れやすいよい響きだけを持つわけではないようです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング