日産「スカイライン」のデザインに透ける思惑 マイナーチェンジなのに、珍しい大胆な変更

東洋経済オンライン / 2019年7月24日 7時20分

フロントグリルを一新した新型スカイライン(筆者撮影)

日産自動車のセダン「スカイライン」が7月16日にマイナーチェンジを実施した。最大のトピックは高速道路同一車線内でのハンズオフ、つまり手放し運転を可能にした運転支援技術(自動運転レベルはレベル2のまま)のプロパイロット2.0であるが、これについては事前に日産が告知していたことでもあり、筆者はデザインに大きく手を入れてきたことに驚いた。

軽自動車の「デイズ」からスーパースポーツの「GT-R」まで、商用車を含めて多くの日産車が採用しているVモーショングリルを装着していたからだ。マイナーチェンジでここまで大胆な変更は珍しい。リアまわりはそこまでの変化はなかったが、テールランプは点灯時に丸が浮き上がるようになっている。

2つのリデザインから感じるのは、日産らしさ、スカイラインらしさを強調してきたことだ。

■かつて日産車ではなかったスカイライン

スカイラインは最初から日産車だったわけではない。1957年に登場したときは富士精密工業というメーカーから、プリンスというブランドで送り出された。9年後に日産と、その後プリンス自動車工業と名を変えた同社が合併したことで日産車になったものの、1969年に登場した最初のGT-Rは、プリンスがレーシングカーR380のために生まれたGR8型エンジンを公道向けに設計し直したS20型を積んでいた。

スタイリングは、「ケンメリ」の愛称で親しまれた4代目ではアメリカ車風になったりもしたが、長い歴史を俯瞰すると直線基調のウエッジシェイプが多かった。2代目で初採用した丸型テールランプ、3代目で導入したリアフェンダーのサーフィンラインなど、ディテールの特徴もあった。

そのスカイラインに、プリンスから日産へのブランド移行に匹敵する動きが訪れたのは2001年。日産が経営危機からルノーとアライアンスを組んだ2年後のことだ。この年に発表された11代目スカイラインは、2年前の東京モーターショーに参考出展されたコンセプトカー「XVL」の市販型だった。

XVLはスカイラインが属するカテゴリーの次世代後輪駆動セダンとして開発した車種で、もちろんスカイラインも想定していたはずだろうが、モーターショー出展時にはその名を出していなかったうえに、結果的には日産がプレミアムブランドとして海外展開していたインフィニティ・ブランドでも販売されることになったために、不満が続出した。

確かにそこにはサーフィンラインも丸型テールもなかった。しかし当時の日産の経営状況や、GT-Rが独立した車種として復活したことを見て、納得する人も多かった。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング