ハワイと沖縄、2大リゾートの意外にも大きな差 観光客数だけでは見えてこない質の問題

東洋経済オンライン / 2019年7月29日 7時20分

日本人が大好きなハワイ、そしてインバウンド急増に沸く沖縄。2つのリゾートを徹底比較することで見えてきた観光地のあり方を問う(デザイン:池田 梢、記者撮影)

「ウミガメだ!」

6月下旬、成田空港の搭乗ゲートの一角で、子供たちが歓声を上げていた。

窓ガラス越しに映るのは、これからハワイに向けて飛び立つ、特別なウミガメ塗装を施された仏エアバス製旅客機「A380型機」の姿だ。航空大手の全日本空輸(ANA)は5月24日から、2階建てで520席を誇るA380を成田─ホノルル路線に導入し、攻勢をかけている。

■ANAのハワイ路線攻勢にJALも対策を打つ

ライバルの日本航空(JAL)にとって、ハワイ路線は1959年から定期運航便を飛ばす思い入れの強い路線。2010年の経営破綻時もハワイ路線はリストラの対象外としていた。ANAの攻勢に対し、ハワイアン航空との提携や、サービスを刷新するなど、対策を打つ。

星野明夫・日本ハワイ旅行業協会前会長は「ハワイには一度夢中になると、何度も行きたくなってしまう魔力がある」と語る。星野氏はJTBハワイなどに勤め、10年以上ハワイに住んでいる。「ハワイの魅力は過ごしやすい気候と貿易風がもたらす風。気候風土や独自の文化に加え、歴史的にリゾートして確固たるブランドを築いてきた」(同)。

一方、沖縄の本島西海岸にある恩納村(おんなそん)には7月26日、「ハレクラニ沖縄」が開業した。ハレクラニはハワイのワイキキにある老舗の高級ホテルで、三井不動産が保有している。同社は恩納村にはワイキキと同じだけの可能性があると踏み、ハレクラニの開業に踏み切った。

沖縄は19世紀までの450年間、琉球王国として培った独特の文化が売りだ。魔よけの「シーサー」が散見される那覇市のメインストリート・国際通りや赤瓦が青空に映える首里城は、沖縄県民が「日本であって日本ではない」と語る象徴だ。「やんばる」と呼ばれる本島北部の豊かな森林や、八重山諸島など離島の静かなビーチや自然も大きな魅力となっている。

ハワイはなぜ世界のトップリゾートなのか。沖縄はそのポテンシャルを生かし、世界有数のリゾートになれるのか。7月29日発売の『週刊東洋経済』は「ハワイvs.沖縄」を44ページにわたって特集している。

ハワイと沖縄という2つの観光地が日本で注目を高めているのは、JALとANAのエアライン対決やハレクラニのように両地にまたがるホテル開発が進んでいるからだけではない。

両者の観光客数は1000万人弱、人口も150万人弱とほぼ同じ。複数の島々からなる諸島で、それぞれ日本とアメリカに併合されたという歴史や米軍が大きな基地を置いているところも似ている。ビーチリゾートで、観光を主要な産業としているなど、さまざまな構成要素が近しいのだ。

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