「処刑大国サウジ」に世界がダンマリな根本理由 ジャーナリストがどんどん収監されている

東洋経済オンライン / 2019年7月31日 8時10分

6月末に大阪で開かれたG20サミットでは、安倍首相とも会談したムハンマド皇太子(写真:Eugene Hoshiko/Pool via REUTERS)

サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が、昨年10月にトルコのサウジ領事館内で殺害された事件をきっかけにサウジの世界的なイメージは凋落している。

国境なき記者団(RSF)が年1回発表している「報道自由度ランキング」では、同国は2019年度、180カ国中172位にランキングされた。前年は169位で、2013年からこれまでつねに165位以下にランキングしてきたが、今年は過去最低に落ちた。同国より下位を見ると、北朝鮮や中国、シリア、スーダンなど報道規制が厳しかったり、国自体が崩壊寸前といった状態の国が目立つ。

ちなみに、日本の今年は67位と、これまた過去最悪である。2012年12月から安倍政権になってからランキングが急降下。2012年は22位にあったのが、2012年12月に安倍政権が誕生した翌年は53位にランキングされ、それ以後悪化の一途をたどっている。筆者の在住するスペインは今年29位で昨年は31位。一方、トップスリーはノルウェー、フィンランド、スウェーデンと北欧勢が占めた。

■サウジ批判者は軒並み「犯罪者」に

そんな報道後進国のサウジで、新たな問題が浮上している。国境なき記者団が6月17日にサウジで30人近くのジャーナリストが収監されていることを明らかにしたのだ。

同団によると、「少なくとも30人以上のTV司会者、編集者、コラムニストやブロガーが、記事やテレビインタビュー、ブログやツイートで発したことを理由に収監されている」。つまり、「カショギ氏同様、サウジに対する批判をあらわにしたことで捕まっている」というのだ。

RSFのサイトには、収監されている30人のジャーナリストなどの写真や理由、法的な状態などが記されている。例えば、牧師で作家、TVの司会者も務めるアリ・アル・オマリ氏は、「テロを目的とした子どもの集団を組成した」という理由から死刑の判決を受けているほか、拷問を受けている可能性もある。

また、オンラインフォーラムのサウジ・リベラル・ネットワークの創設者であるブロガーのライフ・バダウィ氏は、イスラムを侮辱したとの理由から、2014年から10年の禁錮刑に加え、むち打ち1000回、さらに出所後は10年間国外渡航禁止、100万サウジアラビア・リヤル(約2800万円)の罰金を科されている。

こうした中、RSFによると、7月10、11日にロンドンで報道の自由をテーマにした国際会議が開催されるのを前に、RSFのクリストフ・ドロワール事務局長やイギリス事務所のレベッカ・ビンセント所長など幹部4人が、4月21~23日までサウジを訪問。サウジ外相や通信相、法相など5人と面会した。

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