年収200万で結婚諦める38歳男の苦労人生 大学中退、職を転々でブラックな環境ばかり

東洋経済オンライン / 2019年8月3日 7時30分

本人が特別悪くなくても「自己責任」と言われてしまう世代だ(筆者撮影)

バブル経済崩壊後の超就職難期に学校を卒業した、就職氷河期世代。ロスジェネ世代ともいわれ、年齢にすると現在30代後半~40代後半ぐらいの人たちだ。今の大学生と比べて人口が多く、受験も就職も競争率が激しいうえ、社会に出る頃には不況のあおりを食らって、望まない非正規雇用の働き方を選んだ人も少なくなかった。そしてこのタイミングで先日、政府は就職氷河期世代を対象に、3年間で集中的に就職支援を行う政策を発表した。経済的弱者は非婚の一因にもつながる。この連載は、そんな就職氷河期のロスジェネ未婚男性を追うルポだ。

■韓国人と結婚してほしいとプレッシャー

連載2回目は、フリーライターの健一さん(仮名・38歳)。筆者は数年前にも彼に会ったことがある。受け答えはしっかりとしており、まともな中年男性という印象を受けた。転職活動中とのことだったので、この調子ならおそらくすぐにどこか内定が出るのではないかと個人的には思っていた。

それからSNSを通じて何かの用事で連絡を取った1年後、彼はいまだに無職で、ギリギリの生活を送っていた。このとき、常識を持ち合わせている人でもこの世代の職探しは厳しいのだと衝撃を受けた。

健一さんは在日韓国人。父親が小さな会社を経営しており、バブル期はかなり儲かったようだ。生まれ育ったのは関西で韓国語も話せないが、家族や親戚は韓国の文化を大切にしていて、とくに家父長制や男尊女卑に関して強いこだわりがあるという。

「長男なので、高校生の頃から結婚のプレッシャーをかけられていました。しかも、『同じ韓国人と結婚しろ』とさえ言われて。また、親戚の集まりとなると、食事の支度をするのは女性です。最近は僕自身、動くようにしていたら『みっともないからやめなさい』と言われましたが、『みんなでやったほうが早いから』と言って手伝っています」

圧倒的に日本人が多い日本で生活しているのに、同じ韓国人同士との結婚を望まれているとは、そのハードルの高さに絶句した。韓国人女性の結婚相手を見つける方法はお見合いか、何らかの韓国人のコミュニティーに属していないと難しい。

幼少期は通名を使っていなかったことで「浮いた存在」となり、友達はいなかった。子どもは異質なものを排除したがるからだと健一さんは語る。また、中学の頃に阪神・淡路大震災を経験。住んでいた一軒家は全壊してしまった。被害の少なかった地域へ一時的に避難後、祖父母の家に移り住んだ。

■食いつないだ後、激務の雑誌編集の仕事へ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング