ソフトバンク、22兆円ファンドの破壊力と不安 さらなる飛躍の幕開けか、暴走の始まりか

東洋経済オンライン / 2019年8月19日 7時0分

大型資金調達が相次ぐのは偶然ではない(デザイン:小林 由依、写真:Getty Images)

2017年に運用を開始した「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(以下、1号ファンド)は、ユニコーン(評価額10億ドル以上の非上場企業)のうちAI関連のベンチャー企業へ集中的に投資してきた。

ファンド規模は986億ドル(約10兆円)で、投資単位は「1口100億円が原則」とソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は言う。世界のユニコーンのうち82社に投資しており、コンテンツプラットフォームの中国バイトダンス、中国の配車アプリ大手である滴滴出行(ディディ)、コワーキングスペースを運営する米ウィーワーク(9月にも上場の見通し)と、評価額で世界5位以内に入る企業も投資先だ。

■世界中のあらゆるユニコーンに出資できる

『週刊東洋経済』は8月19日発売号で「マネー殺到! すごいベンチャー100」を特集。日本で2社目のユニコーン、メルカリ上場を契機とし機関投資家の資金流入や大企業出身者による起業機運の高まりなど、大型資金調達が相次ぐ期待のベンチャーにかかわる最新動向を追っている。

ソフトバンクグループのように、これほど多くのユニコーンに投資した例は過去にない。1号ファンドはサウジアラビアの政府系投資ファンド(PIF)などから集めた巨額資金を背景に、世界中のあらゆるユニコーンに出資できる唯一無二の存在といえる。社外取締役の柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長は、6月の株主総会で「今、すごくいいポジション(立ち位置)にある」と話した。

投資先のうち、米エヌビディアなど2社の株は売却済みで、米ウーバー・テクノロジーズなど5社が上場。「今年度内にあと5~6社上場する。来年度は10社くらい、再来年度はもっと増える」と孫氏は言う。上場後は全保有株を売却する場合もあれば、ほかの投資先との相乗効果を見込んで持ち続ける場合もある。

1号ファンドのIRR(内部収益率)は年率換算で45%だった。「ベンチャーキャピタル(VC)の世界平均は13%。始める前は『ファンド規模が大きすぎて平均を下回るのではないか』と多くの人に言われた」(孫氏)が、今のところ好実績を残している。

■2号ファンドも巨額

SBGは8月7日の決算説明会で、2号ファンドの全貌も明らかにした。想定している投資先は1号と同様、AI関連のユニコーンだ。投資規模は基本合意したものだけでも1080億ドル(約11.7兆円)に上る。主な出資者は米アップルや米マイクロソフト、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業、日本の金融機関など。SBG自身も380億ドル(約4兆円)を出資する。

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