「赤字はダサい」好きへのこだわりが成功を呼ぶ 内田和成×遠山正道「仕事の発想力を磨く」

東洋経済オンライン / 2019年8月21日 8時30分

遠山:今の文脈で言うと、そうなりますが、これまでやってきたスープも、ネクタイも、のり弁もすべて昔からあるもので、0から生み出したものではないかもしれません。

内田:それは謙遜に聞こえます。「スープとはこういうものだ」という既存の定義を違う角度で仕立て直すと、まったく違うビジネスになる。そこが遠山さんの0から1で、ユニークさだと思いますが。

遠山:その意味で言うと、スープストックトーキョーも「なんでこうなっちゃうの?」という世の中に対する疑問やいら立ちから生まれました。そういうものは、世の中にはたくさんあり、例えば人事制度などでも、「なんでこうなっちゃうのか?」をどんどん変えていくのは面白いと思いますね。

内田:新しい事業や「これは面白いのではないか」ということは、いつ、どのように思いつくのでしょうか。

遠山:私の趣味は早寝早起きで、明け方の4時や5時くらいにベッドの中で思いつくことが多いですね。うすらぼんやりしている中で思いつき、スマホにメモして、またうつらうつらする。湖面がピタッとしているときに魚がふっと来るみたいな感じがいいですね。

■問題意識がなければ、ひらめかない

内田:私の著書に『スパークする思考』という発想法の本がありますが、そこで述べたのが、人が何らかの現象を見てひらめくのは、つねに問題意識を持っていて、それに基づいて蓄えられたデータベースがあるからだということ。

例えば、リンゴが落ちるのを見て、ニュートンが万有引力を発見したのは、「なぜものは横に動かないで、下に落ちるのか」「くっついているものは落ちないのに、離すと落ちるのは、どうしてか」という問題意識をつねに持っていたからです。

私はビジネスモデルやガジェットなどの機械類への問題意識が異様に高いのです。だから、ディズニーがサブスクリプションで動画を提供するというような発表があると、ちょっと待てよ。ネットフリックスとどういう戦いになるか。アメリカのケーブルテレビ局などにどういう影響があるのかというように、連想が止まらなくなる。

それは日頃から、ネットの世界やビジネスモデルは何かといったことについて問題意識をもってデータベースに蓄えているからです。遠山さんは、どのような問題意識やデータベースをお持ちでしょうか。

遠山:私の場合、データベースのようなものを持って、そこにインプットすることは、ほとんどないような気がします。うちにはテレビもないし、新聞も雑誌も読みません。いわゆる情報収集はあまり好きではありません。どうもあまのじゃくらしく、誰かがやっていると聞いてしまうと、自分ではやりたくなくなるんです。

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