真夏の政争劇「埼玉県知事選」の奇々怪々 与野党一騎打ちでも盛り上がり欠く展開に

東洋経済オンライン / 2019年8月21日 10時0分

ただ、今回知事選には行田邦子前参院議員も出馬の意思を示していた。7月参院選の改選組だった行田氏は、年初から「国会議員は辞めて埼玉のために働きたい」と知事選出馬の準備を進めてきた。行田氏は2007年参院選で当時の民主党から出馬、初当選し、参院議員2期。政治家としては民主党→みんなの党→希望の党などを渡り歩き、今年6月までは希望の党幹事長も務めた。こうした政治経歴から同じ旧民主党出身の大野氏と支持層が重なるとみられていた。

■行田氏は予想外の「青島氏支持」宣言

行田氏は6月に正式に出馬表明して選挙準備を進めてきたが、8月6日に熱中症の疑いで緊急入院し、翌7日に立候補断念を決めた。告示日前日の突然の断念に、中央政界でも「大野氏を支援する上田氏からの働きかけによる断念では」(自民選対)という噂が広がった。

これに対し、行田氏は選挙戦中盤の8月16日夜になって、自身のフェイスブックに病室で撮ったとみられるメッセージ動画を掲載し、まず「病状を押してでも立候補したかったが、選挙戦を戦える状況にないと判断せざるをえなかった。痛恨の極み」と沈痛な表情で語る一方、「上田知事との裏取引を噂され、驚いている。心外だ」と取引説を否定。そのうえで「私自身の県政運営のスタンスと最も近いので、青島健太氏に投票する」と青島氏支持を表明した。

行田氏は希望の党幹事長になった段階から、自民も含む保守層からの支持を期待して知事選出馬の準備を進めていたとされるが、この「青島氏支持宣言」には「予想外の事態。これにも何か裏があるのでは」(共産党幹部)との声があがった。

一方、退任表明した上田氏が、10月の参院埼玉補選への出馬が確実視されていることも事態を複雑にしている。上田氏が後継者とする大野氏だが、同氏が参院選公示前に議員辞職していれば、参院埼玉選挙区の改選議席は4から5に増えていた。その場合、5番目の当選者は大野氏の残りの任期を引き継ぐため3年後の次期参院選で改選となる。

今回の参院選では、埼玉選挙区の次点(5番目)は国民民主の公認候補で、結果的に大野氏と入れ替わることができていたわけだ。

しかし、大野氏は知事選出馬表明の段階から「参院議員の職務は全うする」として、8月1日召集の臨時国会冒頭に議員辞職の手続きをとった。その結果、毎年4月と10月に実施される衆参統一補選の1つとして10月の補選実施が決まった。

立憲民主党の枝野幸男代表は埼玉県選出で、今回知事選での主要野党の取りまとめ役でもあるが、枝野氏周辺は上田氏の正式退任表明の前から「大野氏はぎりぎりに辞職し、補選には上田氏が野党統一候補として出馬する」と予言していた。

■「埼玉県民には…!投票に行かせておけ!!」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング