「採用川柳・短歌」は企業側の苦悩で満ちていた 「AIが 辞退の予兆も レコメンド」に現実味

東洋経済オンライン / 2019年8月22日 8時40分

すっかり売り手市場となった就職活動の現場。「採用川柳・短歌」からは企業の採用担当者の苦悩ぶりが伝わってくる(写真:amadank/PIXTA)

前回、8月8日の配信記事「『就活川柳』に込められた学生たちの喜怒哀楽」で、2020年卒の就活生による「就活川柳」をお届けしたところ、内定辞退時の企業の対応についてコメントをいただいた。

都市伝説として紹介した「頭からコーヒー(かつ丼という説もある)をかけられ」に対して、「自分の時(13年前)はコーヒーorカレーだった」とか、「ネクタイをはさみでちょん切られた」とかといったコメントを寄せられた。あったんですね、本当に。

さて、今回は就職戦線のもう一方の登場人物、企業の採用担当者による「採用川柳・短歌」の入選作品から、立場の違った苦悩も見てみたい。

学生の諸君も苦労したかもしれないが、企業の採用担当者だって、決して「強者」ではないことを少しでも感じ取ってほしい。もしかしたら、来年の今頃はあちら側の立場になっているかもしれないのだから。

■高まる名前の「キラキラ率」

まずは最優秀作品からだ。

履歴書の 名前が読めぬ 時代きた(東京都 きゅうぴいちゃんさん)

日本の戸籍法は、子どもの名前に使用できる漢字の範囲を規定しているものの、読み方については規定していない。戸籍には名前の読み方は登録されないからだ。名前は個人を識別するいわば記号であり、かつては誰もがわかりやすい読み方をつけるのが常識とされてきた。

だが、1990年代半ばあたりから珍しい名前の登録が増え始め、2000年代にはさらに急増した。今後、応募者に占める、通称キラキラネーム率は年々高まり、採用担当者はますます苦労しそうである。数年前には、ある上場企業の人事担当者が取締役会での決定事項だとして、「キラキラネームは採用しない事になった」とネット上で発言して話題になったこともある。

ただ、キラキラネームはあくまでもそれをつけた親に問題があるのであって、決してその学生本人には何の責任もないことを忘れてはならない。

続いて、優秀作品の2作を紹介しよう。

優秀層 演技もうまいよ また辞退(東京都 ローランドさん)

インターンシップを口実にして、年々早くなっている採用活動。早い時期のインターンシップに参加する学生ほど、就職意識が高いだけでなく、業界や仕事内容をよく調べ、さらには自分のキャリアについてもよく考えている、いわゆる「優秀層」と呼ばれる学生の割合が多いといわれている。

そのため、早期に就職対象の企業として学生に認知してもらうべく、早くから実質的な採用活動を展開する企業が年々増えている。いくら世間では「売り手市場」といわれていても、就職活動が初めての学生にとっては、就活を始めたばかりの頃は「売り手市場」の実感などなく、ただ不安でしかない。そんな段階で初めて出た内定には心から喜び、この瞬間は演技でも何でもない。

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