スノーピーク白馬進出の裏に地元の切実なSOS 1泊7万円超の超高級グランピング施設の狙い

東洋経済オンライン / 2019年8月23日 7時0分

標高1200mの八方尾根・北尾根高原に超高級グランピング施設をプロデュースしました(筆者撮影)

キャンプブームの追い風を受け、業績を伸ばすアウトドアメーカーのスノーピーク(新潟県三条市)。そのスノーピークが、世界に向けたブランドの発信地と位置付けるのが長野県白馬村だ。7月には北アルプスを間近に望む、標高1200mの八方尾根・北尾根高原に超高級グランピング施設をプロデュースした。

2020年春には、JR白馬駅前に大規模な複合商業施設を開業する。外国人観光客が急増する白馬で、自治体や地元企業と手を組み、ブランド発信と地域の活性化を目指す戦略を追った。

■ラグジュアリーホテル並みのサービス

7月下旬、白馬八方尾根の中腹、北尾根高原展望台まで上がると、さわやかな風が吹き抜けた。この日の白馬村の気温は28.8度と夏日だったが、標高1200mの展望台では観光客が、デッキチェアでの読書や、記念撮影を楽しんでいた。雄大な北アルプスが間近に迫る高原に、グランピング施設「スノーピークフィールドスイート白馬・北尾根高原」はある。

客室は、テントルームが7室、世界的な建築家の隈研吾氏がデザインした木造のトレーラーハウス1室の計8室。自然と調和するオフホワイトのテントは、約50㎡の広さで、この施設のために特別に作った。

コーヒーミルやチェアに至るまでスノーピークのこだわりの製品で統一されている。1日8組16人が過ごす、贅沢な大人の空間だ。

サービスは、一般的なグランピングとは一線を画する。夕食は専用のレストランで、白馬村や長野の食材をふんだんに使ったコース料理を、県産ワインとともに楽しむ。食後は星空の下、たき火を囲むアウトドアバーで語らう。朝は日の出を眺めるご来光ツアーや、客室での朝食など、ラグジュアリーホテル並みのサービスを提供する。

宿泊価格は1泊1人7万~11万円と、富裕層をターゲットにした強気の設定だ。「外国人観光客の中には、1泊20万円近くするホテルに1週間滞在する人もいる。せっかく作るなら、尖った高品質な施設をつくろうと思った」。

グランピング施設を運営する、スキー場運営会社の八方尾根開発(白馬村)の吉野孝之・執行役員はこう説明する。雪質の高さが評価され、海外のスキー客が増える中、白馬村にはハイクラスの宿泊施設がまだ少ない。

9月は、目標にする1カ月150組のうち、すでに6割が埋まっており、10月の紅葉シーズンの問い合わせも増えてきた。営業期間は、当面はゴールデンウイークから11月上旬までのグリーンシーズンだが、将来的には通年営業も視野に入れる。

■1通のメッセージがきっかけに

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