ベンツが初の電気自動車「EQC」を投入する意味 価格は1080万円!1回の充電で400km走行

東洋経済オンライン / 2019年8月26日 7時50分

メルセデス・ベンツ日本が7月上旬に、初の電気自動車「EQC」を日本で初公開した(写真:メルセデス・ベンツ日本)

7月上旬、メルセデス・ベンツが、日本市場における初の電気自動車(EV)となる「EQC」を発表した(スマートでは、かつてEV導入の実績がある)。

EQCは、世界的に各自動車メーカーが主力商品と位置付けるSUV(スポーツ多目的車)のEVであり、車体寸法はエンジン車のGLCに近い。日本でも扱いやすい大きさのEVといえる。

外観の造形は、全体的に丸みがあって、エンジン車のメルセデス・ベンツとはかなり違った印象を与える。空気を切り裂くというより、大気に溶け込むような印象を与える造形だ。

■クルマとの会話をいっそう楽しめる

室内は、運転席の前に大きな液晶画面が横へ連なるなど、近年のメルセデス・ベンツ各車に通じており、情報通信の時代を実感させる様子となっている。そのうえで、静粛性がより高まるEVであれば、音声認識による機能操作のMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)も、より的確さが高まるのではないか。クルマとの会話をいっそう楽しめそうだ。

さて、利用者が最も気になるであろう走行性能について、一充電走行距離はWLTCモードで400kmである。この数値は、昨今市場投入されるEVの平均的水準だ。ディーゼルターボエンジン車なら1000km走れると思っている人には、物足りないかもしれない。

だが、ガソリンエンジン自動車を世界で最初に生み出した同社が、EVの導入に際してこの一充電走行距離に落ち着かせた意味は大きい。

EVは、単にバッテリー積載容量を増やせば一充電走行距離がその分伸びるわけではない。なぜなら、増えたリチウムイオンバッテリーの重量が、消費電力(燃費ならぬ電費)に影響を及ぼすからだ。

例えば、日産リーフの場合、搭載バッテリー容量に40kWh(キロワット・アワー)と62kWhの2種類がある。40kWhのリーフは車両重量が1510kg(Xグレード)であり、62kWh(同じくXグレード比較)では1670kgと、主にバッテリー重量増分で160kg重くなる。そして一充電走行距離は、40kWhが322km(WLTCモード)であるのに対し、60kWhは458kmだ。

40kWhから62kWhへ、バッテリー容量を1.55倍増やしたが、一充電走行距離は1.42倍の伸びにとどまっているのである。

以上のように、EVの走行距離と、搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は必ずしも比例関係にはない。したがってどこかに合理的な落としどころを見つけなければならない。

■最高速度は時速180kmに設定

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