孤立する石破氏、遠ざかる「ポスト安倍」への道 締め付け強まれば「石破離れ」の可能性も

東洋経済オンライン / 2019年9月5日 8時30分

2018年9月の自民党総裁選で、退場する安倍晋三首相(右)をうながす石破茂元幹事長(写真:時事通信)

「ポスト安倍」で総理総裁の座を目指す石破茂元幹事長が自民党内で孤立感を深めている。

昨年9月の総裁選で、安倍晋三首相にただ1人挑戦し、地方票で善戦したものの議員票では大差をつけられた石破氏は、その後も反安倍の立場で臥薪嘗胆の日々を送っている。ただ、総裁選後も党内の「石破包囲網」が進み、今のところ反転攻勢への突破口も見いだせない状況だ。

■ケミストリーが合わない安倍氏と石破氏

首相が11日に断行する内閣改造・党役員人事でも、石破氏が要職に起用される可能性はほとんどない。首相による石破派(水月会)からの一本釣りもささやかれている。

党内で、安倍1強のおごりや緩みを批判し続ける石破氏の「影響力を削ぐ」(細田派幹部)のが狙いだ。麻生太郎副総理兼財務相らも、それぞれの立場から「石破潰し」に同調する構えで、このままだとポスト安倍レースで極めて不利な立場に追い込まれかねない。

石破氏と安倍首相は、自民党が野党だった2012年9月の自民党総裁選で対決して以来、ギクシャクした関係が続いてきた。憲法改正論者で、国防タカ派という点では共通するが、政治手法の違いなどから「ケミストリー(相性)が合わない」(自民長老)とされる。

2012年の総裁選では、地方票で断然トップとなった石破氏を議員票で上回る安倍氏が決選投票で逆転。2012年暮れの衆院選で安倍氏の首相再登板につながった。

僅差で敗れた石破氏は党ナンバー2の幹事長に就任し、その後の2年間は「安倍・石破体制」での党運営が続いた。しかし、新安保法制実現を目指した安倍首相が2014年夏、防衛政策に精通する石破氏に「安保法制担当相」への転身を打診した際、「首相との基本認識の違い」を理由に拒否したことなどから関係が悪化した。

2014年9月の内閣改造・党役員人事で、石破氏は地方創生相に起用されたが、党内では「座敷牢に入れられた」(閣僚経験者)と評された。

石破氏は2015年9月の総裁選では「安倍内閣の閣僚」であることを理由に総裁選出馬を断念して地方創生相として留任する一方、総裁選後に石破派を立ち上げてポスト安倍を目指す立場を鮮明にした。そのあと、2016年8月の内閣改造で自らの意思で退任して以来、「党内野党」の立場を続けている。

■「冷や飯をおいしく食べています」と皮肉る

昨年9月の総裁選出馬の際、石破氏は党内の首相支持派からの攻撃に「冷や飯を食わせろとかいうのは、まさにパワハラだ」などと反発。実際に総裁選後に人事で干されると、「冷や飯をおいしく食べています」と安倍首相を皮肉ってみせた。

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