日本人が知らない「トランプ大統領」の頭の中 大事なのはアメリカよりも「自分の損得」

東洋経済オンライン / 2019年9月10日 8時20分

メディアに対しても、誠実に応対しようという気持ちはまったくないようだ。基本的に言いたいことは自分のツイッターで一方的に発信し、気に入らない記事はすべてフェイクニュースとして扱い、記者の質問が気に入らないと、テレビカメラの前であろうがおかまいなしに罵倒する。

閣僚も気に入らないと次々にクビにするため、大統領に就任して1年9カ月で、すでに閣僚人事も2回転していて、ホワイトハウスの側近にはイエスマンしかいない状態だ。

彼の発想というのは、すべてがディールなのである。外交もディールだから勝たなければいけない。貿易赤字は負けだから許せない、とトランプ大統領は思っているのだろう。

トランプ大統領は2020年の大統領選にも出るという。もし再選されたら、アメリカ、そして世界はまた4年間この男に振り回されることになる。

■トランプ大統領の熱狂的な支持者

ここまでひどいアメリカ大統領を私は知らない。だが、それでも彼を支持するアメリカ国民は一定数いる。それは、トランプ大統領が、自分の支持者が聞きたいことをうそ(フェイク)でも言い続けるからである。ポスト・トゥルースと呼ばれるこの現象は、客観的な事実が軽視もしくは無視され、感情的な訴えのほうが政治的に影響を与える状況を指す。

トランプ大統領の熱狂的な支持者は、ラストベルト地帯のプアホワイトだ。トランプ大統領が彼らに向けて「メキシコとの境に壁をつくって不法移民を入れないようにして、あなたたちの仕事が奪われないようにする」「中国からの輸入品に関税をかけて、君たちのつくる製品の競争力を高めてやった」などのことをいうと、たとえそれがうそであっても、そういう話を俺たちは聞きたかったのだと熱狂するのだ。ある統計によれば、トランプ大統領は1日平均6回うそをついているという。

とにかく、そういった熱狂的なトランプ大統領の支持者が、アメリカ国民の25%も存在するのだ。2018年11月に行われたアメリカ中間選挙の投票率が50.1%だから、トランプ大統領の支持者がこぞって投票に行けば、間違いなく多数派をとれる。つまり、大統領再選は十分ありうる話なのである。

トランプ大統領は、口を開けばアメリカの労働者は不法移民に職を奪われているというが、これは彼の認識不足である。IMFの統計によれば、2018年10月の段階でアメリカの失業率は3.78%とほぼ完全雇用状態なのだ。

また、中国からの輸入品に25%の関税を課したところで、中国に進出している企業がアメリカに戻り雇用を生み出してくれるようなことは絶対に起こらない。なぜなら、アメリカにはそもそも部品がなく人もいないのだ。

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